【編集長の視点】ヨコレイ(横浜冷凍)は年初来高値を更新、中期計画の最終年度に期待を高め割り負け株買いが増勢

ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は、前日25日に2円高の1100円と3営業日続伸して引け、取引時間中には1107円まで変われ10月18日につけた年初来高値1101円を更新した。同社株は、目下集計中の前2019年9月期業績を今年11月中旬に発表予定だが、続く次期2020年9月期業績について推進中の第6次中期経営計画の最終年度となっており、業績期待を高めて割り負け株買いが増勢となった。株価波動的にも、今年5月の年初来安値829円からの上昇第2波動が進行中であり、2017年12月高値1227円への意識を高めている。

■新物流センターの稼働・着工が相次ぎ海外養殖事業も進展

 第6次中期経営計画は、冷蔵倉庫事業では「マーケットインに応える革新と進化」、食品販売事業では「食料資源の開発と食プロデュースによる安定供給構造の構築」を推進し、冷蔵倉庫では、東京羽田物流センター、名港物流センターを新規稼働させるとともに、「つくば物流センター」、「長崎ソーティングスポット」などの新規物流拠点の建設に相次ぎ着工、食品販売事業でも、ノルウェーから欧米への鮭鱒輸出事業を強化するなど、養殖事業や海外販売事業に注力してきた。この最終年度に当たる2020年9月期の業績目標は、売り上げ1600億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円と設定している。

 目下集計中の前2019年9月期業績は、売り上げ1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と予想され、純利益は、2017年9月期の過去最高(33億6000万円)を2期ぶり更新する見込みだが、次期2020年9月期業績は、中期経営計画の目標業績達成で最高純利益をさらに伸ばすことになる。

■上昇第2波動の途上で第1波並みの上昇率再現で2017年高値1227円を意識

 株価は、9月期末の配当権利取りで1099円高値まで買われ、権利落ちとともに1008円と調整したが、買い戻されて権利付き高値を抜いて年初来高値1107円へ上値を伸ばしてきた。前期推定ベースでPERは17倍台とやや割高だが、PBRは0.84倍と依然として割り負けている。今年5月の年初来安値829円から7月の1073円高値までの上昇第1波動に続き、8月の970円安値から上昇第2波動の途上にあり、第1波動並みの29%超の上昇率の再現期待を高め、2017年12月高値1227円が次の上値フシとして意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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