【編集長の視点】鴻池運輸は分割権利落ち後安値水準から急反発、続伸業績・連続増配を見直し割安株買いが再燃

 鴻池運輸<9025>(東1)は、25円高の1250円と急反発して始まり、株式分割権利落ち後安値で年初来安値でもある今年4月8日につけた1180円に並ぶ安値水準から底上げする動きを強めている。今3月期業績の続伸が予想され、配当も、連続増配が予定されていることを見直し割安株買いが再燃している。このところ鉄鋼各社の鋼材価格の値上げが相次ぎ、株価も商いを伴って上昇していることも連想され、関連株買いにつながっている。

■鉄鋼関連では新規連結子会社がフル寄与し海外関連ではベトナムのトラック輸送業務が拡大

 同社の今3月期業績は、売り上げ2660億円(前期比5.3%増)、営業利益110億円(同7.2%増)、経常利益111億円(同3.6%増)、純利益68億円(同6.1%増)と続伸が予想されている。鉄鋼関連分野では、昨年子会社化した新規連結子会社の通期フル寄与や鋼材輸送業務の増加、設備老朽化対策工事の受注、食品関連分野や生活関連分野では、開設した大型物流センターによる取扱量の増加、インバウンド関連では、関西国際空港の国際便増便に伴う空港関連業務の好調推移、海外関連分野ではベトナムでのトラック輸送業務の拡大などが続き、業務効率の向上などに取り組みコスト削減を推進することなどが要因となる。

 配当は、前々期の年間45円に対して、前期は33円と昨年3月末を基準日にして実施した株式分割(1対2)を勘案して実質10.5円の増配を実施したが、今期はさらに35円に連続増配を予定している。

■25日線を固めPER10倍台、PBR0.8倍、配当利回り2.8%の割安修正に再発進

 株価は、昨年3月末に2576円で株式分割の権利を落とし、分割落ち後理論価格水準の1248円から前期第2四半期累計業績の上ぶれ着地などで分割権利落ち後高値1628円をつける場面もあったが、今年4月以降は、全般相場の記録的な続落のなか分割落ち後安値1180円へ調整、今期業績の続伸・連続増配予想とともに底上げを窺い25日移動平均線を出没するもみ合いを続けてきた。PERは10倍台、PBRは0.8となお割安で、配当利回りは2.80%と市場平均を上回っているだけに、分割落ち後高値抜けから分割権利埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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