【中期経営計画と株価】ベクトルはアジアでPR会社ナンバーワンを目指す、株価本格的水準訂正高へ

中期経営計画と株価

■戦略PR事業の拡大でグループ営業利益中期50億円(2014年2月期実績9億800万円)に設定

ベクトル<6058>(東1部・売買単位100株)は2014年11月28日に、マザーズから東証第1部に昇格した。主力事業は戦略IR事業で、1件当たり2000万円以上の大型プロジェクトの新規獲得が相次いでいる。今期の同事業の売上高は78億3200万円(前期64億6100万円)に増加する。収益基盤となるリテナーサービスクライアントは2013年862件から2014年は1100件に、そして、3年後には1500件の獲得を目指している。

また、IT-IR事業も今期7億4500万円(同6億5300万円)の売上高を達成すると予想。ニュースワイヤーサービスを利用する企業数は2014年1月6510社から2014年5月には7000社を突破。3年以内には1万社に拡大することを目標にしている。

アジア・ASEAN諸国を中心にした海外事業の伸び率は、進出してから3年間で300%という急成長を達成している。日本企業のASEAN進出はとどまるところを知らない。この日本企業の海外でのPR需要は拡大中だ。同社は現在、中国をはじめシンガポール、タイ、ベトナムにも拠点を設けているが、今後はフィリピンやミャンマーにも進出する計画である。

さらに、新規事業としてビタミンCをバイオ融合して肌に12時間継続的に供給する「ビタブリッドC」の販売を拡大していく方針だ。この「ビタブリッドC」は美肌だけではなく、アトピーやAGA(男性型脱毛症)にも効果があると言われており、今後の展開が期待されている。

2015年2月期の業績は売上高78億3000万円(前期比21.2%増)、営業利益12億5000万円(同37.7%増)、経常利益12億5000万円(同37.5%増)、当期純利益6億5000万円(同27.5%増)を最低、確保する見込みである。

そして、中期経営計画では、前述したような要因を背景に営業利益50億円(既存PR事業30億円、新規PR事業20億円)の達成を狙っている。さらに、同社は長期計画として営業利益100億円という目標数字を掲げている。

株価は今年2217円の高値を示現した後、利食い売りで1200円を一時割り込む下げとなったが、値幅調整完了感が台頭。売り物が薄くなった局面で下値に買い物が入り1600円どころへ回復。この近辺での値固めが終了するのも時間の問題となってきた。また信用買い残高は増加しているが、ここにきて回転が効き始めている模様であり、需給圧迫要因にはなりえない。取りあえずは2000円台乗せを目標に押し目はすかさず、拾っていい銘柄のひとつであろう。

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