【編集長の視点】DIシステムは続落も11月14日の決算発表を先取り業績期待を高め下値買いが交錯

ディ・アイ・システム<DIシステム、4421>(JQS)は、前日11日に9円安の1550円と変わらずを含めて7営業日続落して引けた。同社株は、11月14日に前2019年9月期業績の発表を予定しており、この動向を見極めたいとして様子見の小口売りが続いた。ただ、一部で次期2020年9月期の純利益が、2期ぶりに過去最高を更新するとも観測されており、次期業績のガイダンスへの期待を高めて下値買いも入っており、25日移動平均線水準で下げ渋る動きもみせた。今年10月1日には、横浜サテライトオフィス(横浜市西区)を開設し、同社の成長戦略の人材採用の中核拠点とすることも、買い手掛かり材料として見直されている。

■IPO効果で元受け比率が高まり積極的な人材採用・育成を推進

 同社の2019年9月期通期業績は、売り上げ39億1400万円(前期比16.7%増)、営業利益2億2500万円(同1.8%増)、経常利益2億2100万円(同0.9%減)、純利益1億3500万円(同1.1%減)と一部伸び悩みが予想されていた。売り上げは、昨年10月の新規株式公開(IPO)効果により利益率の高い元受け比率が高まって新規顧客が増え、常駐先のプロジェクト案件も順調に伸び連続の2ケタ増となる。ただ利益は、先行投資として従業員を現在の550名から1000名に増員する目標達成に向け積極的に人材採用を続け、人材育成などの内部管理体制を強化する負担増や、名古屋支店の移転費用、上場関連費用などの一時的な要因も重なり伸び悩む。

 問題は、次期2020年9月期業績の動向となる。同社は、中期的な業績目標として従業員1000名、ビジネスパートナー500名、売り上げ100億円超を掲げ引き続き先行投資を推進するが、上場関連費用などの一時的要因が一巡するだけに、11月14日の決算発表時の業績ガイダンスが注目されている。東洋経済会社四季報最新号では、売り上げ46億円、営業利益2億5000万円、経常利益2億4500万円、純利益1億5000万円と観測されており、観測業績を達成すれば、純利益は、過去最高の1億3600万円(2018年9月期)を2期ぶりに更新する。また配当についても、前期は年間25円(前々期実績23円)に増配したが、次期2020年9月期も、年間27円~28円の連続増配含みと観測されている。

■今年9月の急伸場面の再現思惑も底流し25日線水準から再騰も有力

 株価は、光通信<9435>(東1)による同社株保有が判明してストップ高を交えて9月の1908円高値まで急伸し、配当権利を落として1502円まで調整し、割り負け修正期待を高めて底上げに転じ、9月の戻り高値からの調整幅の3分の1戻しを達成し、足元では25日移動線を出没しつつ一段高を窺っている。9月の戻り高値への株価急伸時の再現思惑も再燃し戻り高値奪回へ弾みをつけ、今年4月の年初来高値2210円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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