【編集長の視点】東証第2部市場変更のサイネックスは「ふるさと納税」関連人気を高めて4連騰

編集長の視点

サイネックス<2376>(東2)は、きょう5日にジャスダック市場(スタンダード)から東証第2部に市場変更され売買がスタートしたが、前日のジャスダック市場の終値に対して29円高の1644円と通算して4営業日続伸している。

市場変更に際して新株式発行などの希薄化材料がないことから、地方創生関連の「ふるさと納税」関連人気を高めて下げ過ぎ訂正買いが続いているもので、今3月期純利益が、連続して過去最高を更新すると予想されていることも見直されている。ただ、4連騰後は、日経平均株価が、前日の米国ニューヨーク・ダウ平均の急落を受けて115円安と反落して始まったことも響き、50円安と反落し目先の利益を確定する売り物に押されている。

■総合情報サイトを運営し20自治体から一括業務代行サービスも受託

「ふるさと納税」制度は、アベノミクスの成長戦略の一角を担っており、非居住の住民が各地方自治体に住民税を寄付し、その見返りに同自治体の特産物を贈呈されるとともに、居住している自治体から住民税の控除を受けられる特典がある。この特産物は、特上牛肉、ブランド米など高人気となっているものが多く、寄付金総額も年々増加し地方再生に貢献している。サイネックスは、同制度の総合情報サイト「わが街ふるさと納税」を展開・運営するとともに、同制度の一括業務代行を今年4月末現在で、20自治体から受託契約している。

同制度は、今年4月からさらに特例控除額の上限が拡充され、手続きも簡素化されているが、同社はこの制度改正に係る広報総合企画の実施を今年4月から1年間にわたり総務省から請け負っている。また同社は、地方自治体と共同で「暮らしの便利帳」を発行しているが、この地方自治体は、今年1月現在で528都市に達しており、まさに「地方再生を支援する社会貢献企業」としてのプレゼンスを高めている。

業績も順調で、今3月期業績は、売り上げ115億7000万円(前期比7.1%増)、営業利益7億2000万円(同5.7%増)、経常利益7億8000万円(同1.4%減)、純利益4億7000万円(同1.4%増)と予想、純利益は、前期に続き過去最高を更新する。

■25日線から7%弱のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆

株価は、「ふるさと納税」の拡充を含む今年度税制改正大綱の国会審議が進んだことでストップ高を交えて上場来高値2619円まで買い進まれて1500円台まで調整、東証2部への市場変更承認でも反応は薄く1464円と下値を探り、ようやく1600円台までリバウンドした。PERは、きょう朝方の安値では18倍台と東証第2部平均をやや上回るが、テクニカル的には25日移動平均線からは7%弱のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る