ジーニーは次第に値を戻す、第2四半期は営業損益など期初予想を大きく上回り回復強まる

■「3つの重点施策」奏功し9月単月で黒字化、通期黒字の計画に現実味

ジーニー(GENIEE)<6562>(東マ)は11月14日、朝方の582円(41円安)を下値に回復し、後場は602円(21円安)で始まった。13日の取引終了後、2020年3月期・第2四半期の連結決算(2019年4~9月累計)を発表し、営業損益などが期初予想を大きく上回り、業績の回復が注目を集めている。

 ジーニーの2020年3月期・第2四半期の連結決算(2019年4~9月累計)は、前期にアド・プラットフォーム事業で発生した取引先の方針変更による影響を、3つの重点施策などによって挽回する展開になり、売上高は70.0億円(前年同期比10.6%減、期初予想比では2.2%の増加)となった。

 営業損益は2.29億円の赤字だったが、前期末(19年3月期)の赤字3.10億円から大きく改善し、期初予想の3.0億円の赤字と比較しても大きく回復した。

 工藤智昭社長は、営業損益について、「9月単月では黒字に回復しており、10~12月の第3四半期は黒字化する見通しになっている」と展望した。

■EBITDAも大きく改善し通期では大幅拡大の見込み

 重点施策のひとつ「ポートフォリオマネジメントの強化」が全体業績に奏功し、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「ちきゅう」において、大手人材紹介会社など複数の大型案件の獲得に加え、重点施策「クロスセルの取り組み拡大」によりクロスセルの増加が売り上げに貢献した。また、3つ目の重点施策「事業責任者への権限移譲による組織体制の効率化」も加わり、受注数が増加し顧客単価も上昇しているという。

 18年11月に株式を取得した株式会社チャモの運営するチャット接客ツール「chamo」も売り上げに貢献した。

 こうした推移の結果、同社が重視する経営指標のひとつである「EBITDA」(イービットディーエー:減価償却費や支払利息などを考慮した収益)も大きく改善し、期初予想のマイナス1.36億円に対し実績はマイナス0.79億円となった。そして、親会社株主に帰属する四半期純利益も大きく改善し、前年同期の2.87億円の赤字に対し2.39億円の赤字となった。

 3月通期の連結業績見通しは従来の予想数字を据え置き、売上高は155.7億円(前期比4.1%の増加)、売上総利益は大幅に拡大し25.9億円(同33.1%の増加)。営業損益は黒字に転換し0.23億円、EBITDAは3.59億円(同約19倍)。親会社株主に帰属する当期純利益は前期の5.44億円の赤字に対し0.39億円の赤字と大幅に改善することになる。(HC)

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