【編集長の視点】クリエートメディックは小反落も3Q好決算見直しに高配当利回り買いがオンして高値圏維持

 クリエートメディック<5187>(東1)は、前日28日に7円安の1064円と2日間の変わらずを含めて7営業日ぶりに小反落した。日経平均株価が、米トランプ大統領の「香港人権・民主主義法案」の署名で米中交渉の先行きが不透明化すると懸念して5日ぶりに反落しており、同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ11月26日につけた年初来高値1082円に並ぶ高値水準は維持しており、今年10月30日に発表した今2019年12月期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)の好決算を手掛かりに割安修正買いが下値に続いた。また、12月の決算月を前に期末の高配当利回りの配当権利取りも意識されている。

■中国などで泌尿器系製品が好調に推移し新製品発売も上乗せ

 同社の今期3Q業績は、売り上げ77億3300万円(前年同期比1.4%減)、営業利益7億400万円(同11.0%増)、経常利益6億7500万円(同2.2%増)、純利益4億5200万円(同1.8%増)と続伸して着地した。売り上げは、OEM販売の一部製品の販売終了で伸び悩んだのを自社販売や中国での泌尿器系製品の好調推移でカバーして小幅減収にとどめ、利益は、生産拠点の原価低減と生産最適化により原価率が低下したことなどにより続伸した。

 今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ109億3000万円(前期比1.2%増)、営業利益10億円(同0.6%増)、経常利益10億1000万円(同1.0%増)、純利益7億円(同4.1%増)と見込んでいる。自社販売では引き続き泌尿器系製品の拡販を進め、今年7月に新製品の「セフティカテ ファストキャス」を発売、低侵襲治療の普及に伴い市場が拡大している中国など新興国向けなどの海外販売で一段の営業力強化やマーケティングの充実を図ることなどが要因となる。なお今期配当は、前期の設立45周年の記念配当2円を上乗せした年間37円を普通配当として継続する。

■GC示現で上昇トレンド転換し期末の配当権利取りも加わり昨年5月高値目指す

 株価は、中間配当の権利取りなどでつけた955円高値から全般の急落相場に巻き込まれて年初来安値880円まで下落し、今期第2四半期(2019年1月~6月期、2Q)累計業績が期初予想を上ぶれて着地したことなどを見直して売られ過ぎとして底上げ、3Q好決算を手掛かりに上昇転換した25日移動平均線で下値を確認しつつ年初来高値1082円まで買い進まれ高値調整中である。この間、テクニカル的にも25日線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは14倍台、PBRは0.77倍、配当利回りは3.47%と割安であり、年初来高値更新で弾みをつけ昨年5月高値1488円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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