【編集長の視点】ジェイックは初決算の3Q業績に期待を高め直近IPO株買いが再燃し急反発

 ジェイック<7073>(東マ)は、前日11日に350円高の8770円と6営業日ぶりに急反発して引け、今年11月15日につけた上場来安値7330円からの底上げを鮮明化させた。同社株は、今年10月29日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、日経平均株価が、米国で重要イベントが続くことから小幅続落し膠着感を強めるなか、この圏外に位置するとして直近IPO株買いが再燃した。今年12月9日には、熊本オフィス(熊本県宇城市)開設の調印式を行った一方、今週末の12月13日にはIPO後の初決算となる今2020年1月期(2019年2月~10月期、3Q)業績の発表を予定しており、業績期待を高め買い手掛かりとなっている。

■求職登録者が5万人に拡大し2Q業績は通期業績対比で高利益進捗率

 同社の今2020年1月期業績は、売り上げ31億1300万円(前期比15.2%増)、営業利益3億2800万円(同41.5%増)、経常利益3億2000万円(同44.7%増)、純利益2億1200万円(同22.4%増)と予想され、連続して過去最高を更新する。就職内定に出遅れた大学生や20代の就職に苦戦したフリーターや第二新卒層、大学中退者などの若手人材を対象にトレーニングしたあと企業に紹介する「カレッジ事業」を展開しており、対象者別に開催する「就職カレッジ」、「女子カレッジ」、「セカンドカレッジ」、「新卒カレッジ」の登録者が約5万人に増加する一方、求人サイドの企業ニーズも、中小企業中心に高く、求職・求人をマッチングする「集団面接会」への参加企業が、過去5年で約1.6倍となり、採用実績累積5人超の企業数が、同じく3倍超の600社を超えていることなどが要因となる。

 IPO時に開示した今期第2四半期(2019年2月~7月期、2Q)累計業績は、売り上げ16億2200万円、営業利益2億4500万円、経常利益2億4100万円、純利益1億5900万円で着地し、今1月期通期予想業績に対する利益進捗率は、74%~75%と目安の50%を大きく上回った。例年8月から10月の第3四半期の3カ月の売り上げは低くなる傾向があるが、3Q累計の9カ月実績で通期予想業績に対してどのようか進捗をみせるか注目されている。

 なお熊本オフィスは、熊本県、宇城市の協力のもと来年2月~4月を開設予定時期に調印式を行ったもので、地方在住で就職活動に制約のある大学4年生、留年生、留学生などやフリーター、第二新卒、大学中退者などの求職活動をサポートするもので、業績押し上げ効果が見込まれる。

■最高値からの調整幅の3分の1戻しをクリアし全値戻しへ弾み

 株価は、公開価格4750円でIPOされ、人材紹介の独自ビジネスモデルへの高評価と、公開規模が相対的に小規模で配当も継続実施予定にあることから10320円で初値をつけ、上場来高値1万4500円まで買い進まれ、公開価格比3.0倍の大化けを演じた。最高値後は、新興市場の人気離散もあり上場来安値7330円まで調整したが、東証マザーズ指数組み入れに伴う買い需要発生期待や熊本オフィス開設などで9730円までリバウンド、最高値からの調整幅の3分の1戻しをクリアした。IPO時の急騰劇の再現期待を強め、3分の1戻しから半値戻しとリバウンド幅を拡大、全値戻しへ弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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