【編集長の視点】はてなは3Q業績の高利益進捗率を手掛かりに業績上ぶれ期待を高めて続伸

編集長の視点

 はてな<3930>(東マ)は、23円高の2308円と続伸して始まっている。今年5月31日に発表した今7月期第3四半期(3Q)利益が、9カ月累計実績ですでに年間予想の7月通期業績を上回って着地したことを手掛かりに、業績上方修正期待を高めて買い増勢となっている。3Q決算短信でも、同じように通期予想業績に対して高利益進捗率を示した第2四半期(2Q)累計業績公表時とは異なり、「通期業績予想の修正を行う場合は速やかに開示いたします」とコメントが付け加えられたことも、修正期待を高めている。

■3Q利益は7月通期予想業績を4400万円~1600万円上回る

 同社の今7月期3Q業績は、売り上げ12億100万円、営業利益2億2800万円、経常利益2億1000万円、純利益1億2100万円で着地した。3Q業績は初作成となるため前年同期比較はないが、今年2月24日の新規株式公開(IPO)時に予想した7月通期業績に対する進捗率は、売り上げが81%と目安の75%を上回り、利益はすでに4400万円~1600万円上回った。コンテンツマーケティングサービスでは、ネイティブ広告の売り上げが大きく増加し、コンテンツプラットフォームサービスでアフィリエイト広告の売り上げや課金売り上げが堅調に推移し、テクノロジーソリューションサービスでも、受託サービスの取引先が着実に拡大し、クラウド支援サービス「Mackerel」の新規取引先を獲得したことなどが要因となった。

 7月通期業績は、IPO時予想に変更はなく、売り上げ14億8000万円(前期比35.3%増)、営業利益1億8700万円(同8.6%増)、経常利益1億6600万円(同1.0%増)、純利益1億500万円(同91.7%増)と見込んでいるが、3Q利益が、9カ月実績で12カ月予想をオーバーしたことから早期上方修正期待を高めている。

■最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し水準を固めリバウンド幅を拡大

 株価は、公開価格800円を大きくオーバーした3025円で初値をつけ、上場来高値3355円まで買い進まれ、IPO人気の一巡と全般相場波乱とともに上場来安値1801円に突っ込んだ。同安値からソニー<6758>(東1)との共同事業開始でストップ高して2776円の戻り高値をつけ、足元は上場来高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し水準でももみ合いを続けている。業績上方修正期待で内需株人気を高め一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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