【編集長の視点】ランディックスは1月~2月集客の倍増を見直し下げ過ぎ訂正買いで急反発

ランディックス<2981>(東マ)は、前日8日に106円高の1512円と急反発して引けた。東証マザーズ市場の値上がり率ランキングでは、第45位に躍り出て今年3月13日に突っ込んだ上場来安値1170円からの底上げを鮮明化させた。新型コロナウイルスの感染拡大で不動産株全般が大きく株価を下げるなかで同社株も大幅調整となったが、同社に限ってはこの影響はなく、むしろこの1月、2月の集客状況は、前年同月比で連続倍増と3月24日に発表したことを見直し、2020年3月期の連続過去最高更新予想を手掛かりに下げ過ぎ訂正買いが再燃した。4月7日には「緊急事態宣言」が発令され、同社の営業地盤の東京都も対象地域に指定され、不要不急の外出自粛が強化されたが、不動産テックサイト「sumuzu」を主力営業ツールとしていることから、むしろオンラインの集客増につながるとも期待され買い手掛かりとなっている。

■不動産テックサイト「sumuzu」の集客は12倍~14倍

 同社の集客件数は、1月が496件と前年同月の2.71倍、2月が481件と2.36倍と好調に推移し、このうち「sumuzu」は、1月が前年同月の19件から242件へ12倍、2月が同じく17件が250件へ14倍と大幅に増加した。東京都の城南6区を主要エリアに集積している富裕層向けに「sumuzu」により不動産の情報提供、仲介・売買のマッチングサービスを提供しており、この独自のビジネスモデルが、緊急時にも有効に機能していることを示唆した。

 このため目下集計中で5月14日に発表予定の2020年3月期業績は、昨年12月の新規株式公開(IPO)時の予想通りに売り上げ78億4800万円(前期比21.8%増)、営業利益10億300万円(同16.6%増)、経常利益9億3800万円(同12.7%増)、純利益6億4600万円(同13.1%増)を達成し、連続して過去最高を更新する見込みである。また今年年明け後も2月、3月と積極的に大型販売用不動産の取得を進めており、次期2021年3月期業績も続伸が有力で、東洋経済会社四季報最新号では純利益を7億4000万円と観測している。

■「半値八掛け二割引き」の大底水準からPER5倍台の超割り負け修正

 株価は、公開価格1630円でIPOされ3660円で初値をつけ、上場来高値4180円まで買い進まれる高人気となった。その後、2000円台央での中段固めが続いたが、世界的なコロナ・ショック安に巻き込まれて上場来安値1170円までの調整を余儀なくされた。同安値は、公開価格を割り大底打ちのシグナルとされる上場来高値からの「半値八掛け二割引き」水準も下回っていることから下げ過ぎとして300円超幅の底上げに転じた。PERも、2020年3月期推定ベースでわずか5倍台と大きく割り負けており、公開価格奪回からまず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの2100円台乗せに動こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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