第一実業の今期業績予想は最高益更新を見込む

■予想PER9.0倍、PBR(実績)0.94倍と出遅れ歴然

 第一実業<8059>(東1)の今期16年3月期連結業績予想は、増収増益で最高益更新を見込む。決算発表は場中であったことから、発表当初は高かったものの引けにかけて下がり、1円安の625円で引けた。

 同社の事業は、プラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業、海外法人の4つに分けられる。

 前期15年3月期の事業別の業績については、プラント・エネルギー事業では、大手エンジニアリング会社経由の海外向け肥料プラント用設備や石油会社向けのエチレンプラント用設備等の既受注大口案件の納入があり、売上高は301億77百万円(同6.5%増)であったが、バイナリー発電装置の製造販売権の償却負担もあり、セグメント利益9億32百万円(同28.3%減)と増収ながら減益となった。

 エレクトロニクス事業については、中国・ベトナム向けを中心にIT・デジタル関連機器製造会社向けの電子部品実装機等の需要が好調に推移し、売上高は359億37百万円(同18.4%増)、セグメント利益18億88百万円(同15.6%増)と2ケタの増収増益であった。

 産業機械事業では、自動車関連業界向け設備の需要が堅調で、また製薬業界向け設備の売上計上もあり、売上高は410億70百万円(同12.5%増)、セグメント利益32億16百万円(同13.4%増)と2ケタ増収増益。

 海外法人は、アジア地域における電子部品実装関連設備および車載関連機器の製造装置等の販売が好調で、またヨーロッパにおいて自動車関連業界向け設備等の大口案件の売上があったため、売上高は336億22百万円(同37.2%増)、セグメント利益14億65百万円(同37.0%増)と大幅増収増益を達成。

 その結果、前期15年3月期連結業績は、売上高1433億61百万円(14年3月期比17.4%増)、営業利益43億41百万円(同6.6%増)、経常利益47億52百万円(同6.2%増)、純利益28億97百万円(同17.8%増)と増収増益であった。

 今期については、国内は経済の回復基調にあるものの、海外については新興国を中心とした景気の停滞懸念等もあり予断を許さない状況ではあるが、同社の16年3月期連結業績予想は、売上高1550億円(前期比8.1%増)、営業利益55億円(同26.7%増)、経常利益57億円(同19.9%増)、純利益37億円(同27.7%増)と増収増益で最高益更新を見込んでいる。

 配当については、年間配当17円(第2四半期末8円、期末9円)を見込んでいる。前期は16円なので1円の増配となる。

 株価指標は、予想PER9.0倍、PBR(実績)0.94倍、配当利回り2.7%と出遅れ歴然。今後の反発が予想される。

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