ジャパンフーズは23年3月期1Q減益だが通期最終大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 ジャパンフーズ<2599>(東証スタンダード)は8月2日の取引時間中に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。受託製造数の減少や想定以上のエネルギーコスト上昇などで減収減益だった。ただし通期の営業・経常黒字転換、最終大幅増益予想を据え置いた。第2四半期以降は猛暑も背景として受託製造数が増加基調の見込みであり、低重心経営による生産性向上も寄与して計画達成を期待したい。株価は第1四半期業績に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期1Q減益だが通期最終大幅増益予想据え置き

 23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比10.2%減の27億97百万円、営業利益が36.7%減の3億47百万円、経常利益が32.8%減の3億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が31.3%減の2億87百万円だった。

 国内飲料受託製造事業の受託製造数は7.6%減の1106.9万ケースだった。期前半(特に4月)にコロナ禍の影響が残った。セグメント利益(調整前経常利益)は38.1%減の3億32百万円だった。受注減少影響に加えて、エネルギーコストが想定以上に高騰し、生産性向上・コスト改善効果でカバーできなかった。海外飲料受託製造事業(中国の持分法適用会社、連結対象期間22年1月~3月期)の利益は全般的に好調に推移して38.9%増の48百万円、その他事業(水宅配事業および水宅配フランチャイズ事業)の利益は価格改定も寄与して37.3%増の8百万円だった。

 なお純利益(前年同期比▲130百万円)の増減分析は、受注減少で▲110百万円、エネルギーコスト上昇で▲140百万円、生産性向上・コスト改善で+100百万円、事業取込利益で+20百万円だったとしている。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比9.6%増の105億円、営業利益が4億円(22年3月期は3億87百万円の赤字)、経常利益が5億50百万円(同1億71百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が26.3%増の4億50百万円としている。なお飲料業界は夏場が需要期、冬場が不需要期のため、同社の業績も上期偏重の季節特性がある。配当予想は22年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。

 純利益(22年3月期比+94百万円)の増減分析は、前期の一過性利益(特別利益)の反動減で▲410百万円、受注増加で+490百万円、生産性向上・コスト改善で+90百万円、事業取込利益で▲70百万円の計画としている。

 受託製造数の計画は14.0%増の4150.0万ケースとしている。第1四半期は減少したが、第2四半期以降はコロナ禍影響の緩和、猛暑効果、新営業戦略の成果などで増加基調の見込みとしている。利益面は、エネルギーコスト高騰の影響があるが、低重心経営による生産性向上・コスト改善、減価償却費の減少などで吸収して営業・経常黒字転換、最終大幅増益予想としている。計画達成を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は第1四半期業績に対してややネガティブな反応となり年初来安値を更新したが、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。8月2日の終値は1111円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の27円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1511円93銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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