JFEシステムズの20年3月期連結業績は、利益面において19年10月28日の上方修正を更に上回り着地

■JFEスチール向けを中心とした鉄鋼事業拡大

 23日発表されたJFEシステムズ<4832>(東2)の20年3月期連結業績は、利益面において19年10月28日の上方修正を更に上回り着地した。好業績の要因は、JFEスチール向けを中心とした鉄鋼事業拡大と新たな子会社であるアイエイエフコンサルティングが業績に寄与したこと等が挙げられる。

 前回の上方修正では、売上高は変わらずの480億円、営業利益は当初予想を4億円上回る40億円、経常利益も4億円上回る40億円、純利益は2億50百万円上回る26億円とした。

 ところが、23日に発表された20年3月期連結業績は、売上高こそわずかに下回る479億53百万円であったが、営業利益は48億08百万円、経常利益48億03百万円、純利益31億81百万円と利益面で前回の上方修正した数値を大きく上回り着地した。

 前年同期と比較すると売上高12.6%増、営業利益38.3%増、経常利益39.3%増、純利益37.0%増と2ケタ増収大幅増益であった。

 好業績であったことから、期末配当は当初予想の100円から120円とした。前期は85円であったことから35円の増配となる。


 20年3月期は、業績目標の1年前倒し達成を目指して、主要課題である「JFEスチール製鉄所システムリフレッシュの遂行」、「ソリューション事業の拡大」、「基盤サービス事業の拡大」を推進するとともに、一般顧客向けの基幹事業である製造、金融業界向け事業や自社プロダクト事業の強化に取り組んだことが奏功した。

 しかし、今期については、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により内外経済をさらに下振れさせるリスクが顕在化しており、これまで好調であったIT投資への影響など、先行きに対する懸念材料があるため、2021年3月期の業績予想は、現時点で合理的な算定が困難であることから、予想値の公表を見送るとしている。

 なお、株価については、23日の場中に決算が発表されたことから、利益面で前回予想を上回ったことと配当の上方修正もあり、500円高のストップ高で引けた。

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