アールテック・ウエノは北海道大学と共同研究を実施すると発表

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■RTU-1096の糖尿病網膜症などの糖尿病眼合併症に関する治療効果を確認する試験を実施

 アールテック・ウエノ<4573>(JQS)は、北海道大学大学院医学研究科 眼科学分野 石田晋教授、野田航介准教授らのグループと、同社が開発中の新規VAP-Ⅰ阻害剤(開発コード RTU-1096)の糖尿病網膜症及び糖尿病黄斑浮腫治療薬としての開発に関する共同研究を実施すると発表した。

 RTU-1096は抗炎症作用や免疫調節作用を有するVAP-Ⅰ阻害剤であり、現在国内で第1相臨床試験を実施している。今回の共同研究は今後のPOC (Proof of Concept、概念実証)試験(または前期第2相臨床試験)に向けてRTU-1096の糖尿病網膜症及び糖尿病黄斑浮腫などの糖尿病眼合併症に対する臨床応用の可能性を検証するために、北海道大学においてRTU-1096の糖尿病網膜症などの糖尿病眼合併症に関する治療効果を確認する試験を実施する。
 同社は今後、糖尿病眼合併症を最優先ターゲットとしてVAP-1阻害剤の新規治療薬としての開発を更に加速させる。

 眼科専門医である同社代表取締役社長の眞島行彦氏は「近年、糖尿病患者の増加およびそれに伴う医療費の増大は世界的な問題になって来ています。日本において糖尿病患者数は潜在患者も含めると2000万人を超え、糖尿病合併症である網膜症をもつ患者は300万人以上とされています。
 失明の原因となる増殖性糖尿病網膜症の患者数は減ってきましたが、一方で視力低下の原因となる糖尿病網膜症の中でも黄斑部(中心部)に生じる浮腫(糖尿病黄斑浮腫)が多くの患者で問題になっています。現在、糖尿病黄斑浮腫の治療は、光凝固術、ステロイド注射(眼内、テノン嚢内)、硝子体手術が行われており、また最近では抗VEGF治療薬の眼内注射が中心になってきました。しかし、再発を繰り返すので年間に多くの抗VEGF治療薬の注射が必要となりますが、薬価が非常に高いため医療費の増大の一因となっています。そこで医療現場では抗VEGF治療薬の注射を優先的に行い、更に光凝固術やステロイド注射を併用することで抗VEGF治療薬の注射回数をいかに少なくするかといった臨床研究が盛んに行われています。我々は、共同研究によりこの問題の解決策を見いだして行く計画です。厚生労働省は健康寿命を延ばすことを政策として推進しており、医療経済面からも糖尿病網膜症による視力障害患者の増加を抑制する戦略を進める必要があります。
 糖尿病患者は血中VAP-1活性が特徴的に増加しており、合併症発症の原因の1つとされています。現在開発しているVAP-1阻害剤RTU‐1096はFirst in Class(First in Human use)の薬剤であり、血中のVAP-1活性を抑制することで治療効果を発揮すると考えられます。従って、将来的には糖尿病黄斑浮腫の治療において抗VEGF治療薬の眼内注射と本阻害剤(経口剤)を併用することも可能になると考えています。今回、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性で積極的な基礎研究と臨床研究が行われている北海道大学大学院医学研究科 眼科学分野との共同研究により、本阻害剤での効果的な治療法の開発を進め、同大学病院を中心にPOC試験(前期第2相臨床試験)の開始を目指しております。」と語っている。

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