Jトラストは20年12月期3Q累計最終黒字

(決算速報)
 Jトラスト<8508>(東2)は11月12日の取引時間終了後に20年12月期第3四半期累計の連結業績を発表した。日本金融事業の堅調推移などで最終黒字だった。なお連結子会社のJT貯蓄銀行(韓国)の全株式を譲渡することも発表した。通期予想は子会社が異動するため未定としているが、ポートフォリオ再編で収益改善基調を期待したい。株価は軟調だが、ほぼ底値圏だろう。最終黒字を評価して反発を期待したい。

■20年12月期3Q累計は最終黒字、通期予想未定

 20年12月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、営業収益が388億45百万円、営業利益が12億24百万円の赤字、税引前利益が17億50百万円の赤字、親会社所有者帰属四半期利益が12億26百万円の黒字だった。

 子会社の異動でキーノート(現グローベルス)、Jトラストカード、JT親愛貯蓄銀行(韓国)を非継続事業に分類した。9ヶ月決算だった19年12月期の4月~12月実績(非継続事業組み替え後)との比較で見ると、営業赤字が縮小し、最終黒字転換した。

 日本金融事業では保証事業と債権回収事業が堅調だった。東南アジア金融事業では前期計上の負ののれん発生益が剥落したが、前期大幅に計上した貸倒引当金繰入額が減少した。またM&A費用や訴訟費用が減少したこと、ノース・リバー子会社化に伴って持分法投資利益(乃木坂46合同会社)を計上したことも寄与した。

 通期の連結業績予想は子会社が異動するため未定としている。事業ポートフォリオ再編により、日本ではカード事業、韓国では貯蓄銀行業から撤退する。売却に伴って増加する手元資金については、日本金融事業の更なる拡大など、ポートフォリオ再編に有効活用する方針だ。収益改善基調を期待したい。

■株価は反発期待

 株価は軟調だが、ほぼ底値圏だろう。最終黒字を評価して反発を期待したい。11月12日の終値は233円、時価総額は約269億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る