テクマトリックスは21年3月期3Q累計大幅増益、通期据え置きだが上振れ余地

(決算速報)
 テクマトリックス<3762>(東1)は1月29日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計の連結業績を発表した。リモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要増などで大幅増益だった。通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は順調であり、通期上振れ余地がありそうだ。クラウドサービスが牽引して収益拡大基調だろう。株価は10月の上場来高値から反落して上値を切り下げたが、好業績を見直して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期3Q累計大幅増益と順調、通期予想据え置きだが上振れ余地
 
 21年3月期第3四半期の累計連結業績(新収益認識基準)は、売上高が前年同期比7.0%増の219億34百万円、営業利益が25.0%増の26億25百万円、経常利益が25.2%増の26億23百万円、そして純利益が26.5%増の17億17百万円だった。なお第1四半期から新収益認識基準を適用している。従来の会計処理方法で比較すると28.8%増収、52.3%営業増益だった。

 情報基盤事業は9.7%増収で29.7%増益だった。特に第1四半期に新型コロナウイルスでリモートワークを支援するセキュリティ関連製品の需要が急増した。リモートワーク環境の整備や各拠点のセキュリティ対策の一元化を目的とした大型案件を受注した。アプリケーション・サービス事業は1.7%増収で13.4%増益だった。医療分野の医療情報クラウドサービスNOBORIの累積契約施設数が増加し、CRM分野のFAQシステムも順調だった。

 なお四半期別営業利益は、第1四半期が9億69百万円、第2四半期が7億13百万円、第3四半期が9億43百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が20年3月期比5.1%増の300億円、営業利益が9.0%増の33億円、経常利益が9.3%増の33億円、純利益が12.7%増の21億円としている。

 新型コロナウイルスによる不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が73.1%、営業利益が79.5%と順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。クラウドサービスが牽引して収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価(20年7月1日付で株式2分割)は10月の上場来高値から反落して上値を切り下げたが、好業績を見直して戻りを試す展開を期待したい。1月29日の終値は1906円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円84銭で算出)は約36倍、時価総額は約849億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る