KeyHolderは20年12月期計画超の黒字、21年12月期減益予想

(決算速報)
 KeyHolder<4712>(JQ)は2月12日の取引時間終了後に20年12月期連結業績を発表した。M&Aや事業再編などで計画を大幅に上回る黒字で着地した。21年12月期は減益予想とした。さらなる成長加速に向けた先行投資などを考慮しているようだ。中期的に収益改善を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には21年12月期減益予想を嫌気する可能性もあるが、収益構造転換に向けた積極展開を評価して出直りを期待したい。

■20年12月期は計画超の黒字、21年12月期は減益予想

 20年12月期連結業績(IFRS)は、売上収益が107億円、営業利益が16億05百万円の黒字、当期純利益が12億88百万円の黒字だった。19年12月期(営業利益が4億19百万円の赤字、当期利益が8億48百万円の赤字)は決算期変更で9ヶ月決算だったため比較はできないが、M&Aや事業再編などで計画を大幅に上回る黒字で着地した。

 売上面は新型コロナウイルスにより、総合エンターテインメント事業でライブ・イベントの中止、映像制作事業で撮影・ロケの延期・中止などの影響を受けたが、第3四半期に連結子会社化したノースリバーが好調に推移した、営業利益はノースリバーの株式取得に伴って、アイドルグループ「乃木坂46」運営の乃木坂46合同会社を持分法適用会社化し、持分法投資利益27億84百万円を計上したことが寄与した。当期純利益については、キーノート(現グローベルス)とプロスペクトとの株式交換で取得していた株式の評価損5億37百万円を計上したが計画を大幅に上回った。

 21年12月期の連結業績予想(IFRS)については、売上収益が20年12月期比40.2%増の150億円だが、営業利益が37.7%減の10億円、当期純利益が34.1%減の8億50百万円としている。

 ノースリバーの通期連結や総合エンターテインメント事業の拡大などで大幅増収だが、新たな一手としてエージェント構想を進めており、さらなる成長加速に向けた先行投資などを考慮しているようだ。中期的に収益改善を期待したい。

■株価は出直り期待

 株価(20年8月15日付で10株を1株に併合)は上値を切り下げる展開だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。目先的には21年12月期減益予想を嫌気する可能性もあるが、収益構造転換に向けた積極展開を評価して出直りを期待したい。2月12日の終値は915円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円04銭で算出)は約19倍、時価総額は約159億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る