JFEシステムズは22年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

(決算速報)
 JFEシステムズ<4832>(東2、新市場区分スタンダード)は1月26日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。鉄鋼向けやソリューションの拡大、生産性向上などで大幅増益と順調だった。通期は利益予想を上方修正(21年10月27日に続いて2回目)した。鉄鋼向けを中心に需要が高水準に推移して収益拡大基調だろう。株価は急伸して上場来高値を更新した。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

 22年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.8%増の371億59百万円、営業利益が35.7%増の41億64百万円、経常利益が35.5%増の41億99百万円、親会社株主帰属四半期純利益が37.9%増の27億78百万円だった。

 JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトの進展、ソリューション事業の拡大などで2桁増収となり、生産性向上なども寄与して大幅増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、売上高が6億32百万円減少、売上原価が7億21百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ89百万円増加、親会社株主帰属四半期純利益が62百万円増加している。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が119億15百万円で営業利益が10億42百万円、第2四半期は売上高が122億83百万円で営業利益が14億15百万円、第3四半期は売上高が129億61百万円で営業利益が17億07百万円となった。

 第3四半期累計の実績を受けて、通期予想は売上高を据え置いたが、営業利益を2億円、経常利益を2億円、親会社株主帰属当期純利益を1億40百万円、それぞれ上方修正した。利益予想の上方修正は21年10月27日に続いて2回目となる。

 修正後の通期連結業績予想(収益認識会計基準適用の影響軽微)は売上高が21年3月期比9.8%増の510億円、営業利益が17.2%増の54億70百万円、経常利益が17.1%増の55億円、親会社株主帰属当期純利益が18.0%増の36億40百万円とした。売上高・利益とも過去最高更新予想である。配当予想(21年10月27日に期末15円上方修正)は据え置いて年間75円(期末一括)としている。21年4月1日付株式2分割換算後で21年3月期比15円増配となる。

 部門別売上高の計画は、鉄鋼がJFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトの進展で38億円増加の232億円、一般顧客が製造業・金融業向けの回復やソリューションの増加で14億円増加の165億円、基盤が基盤構築関連の外販増で3億円増加の68億円、子会社が会計基準変更の影響で10億円減少の45億円としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が72.9%、営業利益が76.1%、経常利益が76.3%、親会社株主帰属当期純利益が76.3%となる。JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトは26年頃まで継続する見込みであり、鉄鋼向けを中心に需要が高水準に推移して収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸して上場来高値を更新した。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。1月26日の終値は2200円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS231円77銭で算出)は約9倍、時価総額は約346億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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