【どう見るこの相場】1万8000円乗せの日経平均

どう見るこの相場

【直ちに2万円は無理、業績を先取りで16年3月期を見極める転換へ】

■「援助型景気」から、「自力走行型景気」へ

<Q>日経平均は遂に1万8000円に乗せた。これで、目標達成となるか。

<A>8日(月)の前場で1万8030円まで上昇、2007年7月以来、7年5カ月ぶりに1万8000円水準に乗せた。以前から1万8000円は上値のフシとみられていた。それに、リーマンショック前の高値1万8300円(2007年2月)に近づいているため短期的には指摘通り達成感からモミ合うだろう。

<Q>急反落の心配はないか。

<A>14日の投票結果で自民・公明が過半数に達しないような場合は急反落の可能性は否定できない。事前予想では勝つことが確実視されているので急落の心配はなさそうだ。ただ、想定通りの勝利ということになれば好材料出尽くし感から利益確定売りが先行し日経平均の若干の調整は予想される。

<Q>安倍政権が勝利した場合の相場のシナリオはどうか。

<A>2013年のアベノミクス第1章、2014年の第2章に続いてアベノミクス第3章の幕開き相場ということになる。第1、第2章と第3章の違いは、第1章・第2章が金融政策を支えとした「援助型景気」だったのに対し、第3章では成長戦略による「自力走行型景気」と位置づけることができる。当然、相場のテーマは成長戦略にマッチした「テーマ株相場」と、「業績相場」色合いが強まる。

<Q>どんな銘柄が注目されるか。

<A>業績面では1部市場の実力優良銘柄だろう。リーマンショックのあと1部市場の老舗銘柄は財務体質改善などリストラに取り組んできたため収益力は改善されている。名門銘柄復活が数多くみられる。もう一方のテーマ性ということではバイオ医療、バイオ燃料、ロボット、地方創生関連でカジノ、オリンピック関連、中央リニア新幹線といった夢のある材料に関連した小型の新興系銘柄が注目される。老舗名門銘柄と小型のテーマ株が同時に買われる展開が予想される。また、株価の価格帯でみればNT倍率が高くなっていることからみて、これまでの値ガサ株中心から値の低い中低位株へ物色のホコ先が移る可能性はある。

<Q>日経平均の2万円はあるか。

<A>直ちに期待することは無理だろう。既に、1部市場のPERは17倍程度まで上昇し業績を先取りしている。アベノミクス成長戦略が動き出し2016年3月期の業績好調が見通せるようになりPERが低下(一株利益向上)するようになったときに日経平均2万円の可能性が高まるだろう。短期的には1万8300円前後で上げ一服となりモミ合いいりとなることが予想される。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る