【どう見るこの相場】「3度目の正直」の年初来安値銘柄の逆張りと高値更新銘柄の順張りに両建てチョイス

どう見るこの相場

 前週末21日の米国市場でゲームチェンジの予兆があったのかもしれない。売り方のショートカバー中心の需給相場から業績相場などアップサイドへのトレンド転換である。同市場で10年物国債利回りが、取引時間中の4.33%から大引けにかけ4.2%台に低下し、ダウ工業株30種平均(NYダウ)が、748ドル高と3日ぶりに急反発し、為替相場も、1ドル=151円台後半から144円台へ7円も円高・ドル安に転じたからだ。

 遠い海の向こうのことで市場センチメントはつまびらかではないが、ニュース報道のヘッドラインや解説記事では、同日朝付けのウオール・ストリート・ジャーナル(WJ)紙が、11月の公開市場委員会(FOMC)で次々回12月のFOMCで利上げ幅の縮小について協議すると伝えたことが引き金となったようで、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ減速への期待を高めたようだ。7円超の円高・ドル高も、円安の泥沼化を前に政府・日銀が、WJ紙の報道に乗じて覆面介入を敢行したことによると観測された。世界のマーケットは、FRBのインフレ抑制へ向けた超タカ派姿勢に煽られて下値を探る金利敏感相場を続けてきたが、このダウントレンドのアップトレンドへの大転換を示唆しているかもしれないのである。

 週明けの東京市場も、大歓迎して取り敢えずギャップアップしてスタートするとして、そのなかで米国市場のトレンド転換の予兆を確かめ、試してみたい定石がある。前週末21日に年初来安値を更新した銘柄のリターン・リバーサル(逆張り)と、同じく年初来高値を更新した銘柄のトレンドフォロー(順張り)である。相場アノマリーでは、下げた株ほど良く戻し、上げている株ほど騰勢に加速がつくとするのがセオリーとなっているからである。

 なかでも年初来安値更新銘柄である。21日の東証プライム市場では28銘柄に達した。足元の今年10月相場のプライム市場では、3連休明け後の11日にNYダウが、その前の週末にNYダウが630ドル安と3日続落した影響で487銘柄を数え、12日には前日に米10年国債利回りがやや低下したことで84銘柄に縮小し、翌13日は同米長期金利の4%台乗せで133銘柄に増加し、その後の日経平均株価の2万7000円台乗せで10銘柄まで減少して前週末は28銘柄に漸増している。年初来安値更新銘柄のリーターン・リバーサルは、10月相場では3回目となり、にもかかわらずそれでま継続して安値更新したり戻りの鈍い銘柄は、「3度目の正直」のトライとなる。

 安値更新の28銘柄には、ファンダメンタルズ的にも下げ過ぎが明らかな銘柄も多く、また逆に21日に年初来高値を更新した30銘柄にはなお割安を示唆する銘柄も含まれており、近く予定されている今期四半期決算の発表日をウオッチしつつそれぞれファースト・チョイス、セカンド・チョイスの逆張り、順張りの両立て対応も一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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