【特集】前週末に年初来高値を更新し、PER評価が半導体クアッドを下回る割り負け銘柄群とは?

半導体 エレクトロニクス

今週の当特集では、マラソンレースのように半導体株の第2集団に注目することとした。第2集団とは、前週末2日に年初来高値を更新し、しかもPER評価が半導体クアッドを下回る割り負け銘柄群である。なかにはPER評価が市場平均を下回る出遅れ株も混在しており、値ごろ的にもPER的にも遥か先を行くトップ集団の半導体クアッドを追い上げ、優勝は無理でも入賞ぐらいは期待できるかもしれない。

■トップ集団の半導体クアッドに値ごろ的にもPER的にも大きく出遅れ

前週末2日に年初来高値を更新し、なおかつ値ごろ、PER評価が半導体クアッドを下回る半導体株の第2集団銘柄をコード番号順へ上げると次の通りとなる。ADEKA<4401>(東1)、フジミインコーポレーテッド<5384>(東1)、岡本工作機械製作所<6125>(東2)、野村マイクロ・サイエンス<6254>(東2)、TOWA<6315>(東1)、タカトリ<6338>(東2)、日本ピラー工業<6490>(東1)、テラプローブ<6627>(東マ)、フェローテックホールディングス<6890>(JQS)、キヤノン<7751>(東1)の10銘柄である。値ごろ的に最も出遅れているのがタカトリの842円で、10番目のフジミインでも4590円とトップ集団の半導体クアッドと大きく水が空き、PERも最割安フェローテックの12倍台から10番目のTOWAの23倍台まで先頭集団の半分以下にとどまっている。

このうちADEKA、TOWAが半導体クアッドと同様に2回業績を上方修正し、フジミイン、野村マイクロ、日本ピラーが各1回業績を上方修正、日本ピラーなど自己株式と増配などの株主還元策がダブった銘柄も多い。テラプローブは四半期業績の予想のみ開示する会計基準とするが、今2021年12月期第1四半期業績を上方修正した。タカトリは、今9月期業績は連続赤字推移となっているが、パワー半導体向け切断加工装置の大口受注が好感され、岡本工作機械は、今3月期の各四半期業績は減益推移しているが、第3四半期の受注が大幅増加したことが業績期待を高めている。

■FPD関連株でも業績上方修正や東証1部指定替えの手掛かり材料

FPD(薄型パネルディスプレイ)関連株も、付かず離れずの有力な候補株となる。12月期決算会社が多いが、日本電気硝子<5214>(東1)が、前週1日に今12月期業績の上方修正を発表したほか、シグマ光機<7713>(JQS)は、今5月期業績を上方修正した。また大倉工業<4221>(東1)のPER評価はわずか9倍台、PBRは0・53倍にしか過ぎず、恵和<4251>(東1)は、昨年12月17日に東証第2部から東証第1部に指定替えされたことも意識されそうだ。

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