ピックルスコーポレーションは22年2月期小幅増収増益予想だが保守的

(決算速報)
 ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は4月13日の取引時間終了後に21年2月期連結業績を発表した。巣ごもり消費も寄与して計画超の大幅増収増益だった。22年2月期は小幅増収増益予想にとどめたが保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は1月の上場来高値から反落して水準を切り下げている。目先的には増益率鈍化の保守的な予想に対して売りが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。

■21年2月期は計画超の大幅増益、22年2月期小幅増益予想だが保守的

 21年2月期連結業績は、売上高が20年2月期比11.1%増の460億20百万円、営業利益が44.9%増の27億11百万円、経常利益が43.4%増の28億29百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が42.0%増の18億32百万円だった。配当は5円増配の35円(期末一括)とした。

 大幅増収増益だった。売上面では、新型コロナウイルスに伴う巣ごもり消費に加えて、健康志向の高まりを背景に乳酸菌を含む食品としてキムチがテレビ番組で取り上げられたことも寄与した。利益面では、春先の低温や夏場の長雨・猛暑で一時的に原料野菜価格が高騰する場面もあったが、秋以降は天候が順調で仕入価格が安定し、増収効果や生産効率化効果も寄与した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が120億21百万円で営業利益が9億13百万円、第2四半期は売上高が123億77百万円で営業利益が8億75百万円、第3四半期は売上高が108億18百万円で営業利益が5億05百万円、第4四半期は売上高が108億04百万円で営業利益が4億18百万円だった。

 22年2月期連結業績予想は、売上高が21年2月期比1.0%増の465億円、営業利益が5.1%増の28億50百万円、経常利益が3.9%増の29億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.7%増の19億円としている。配当予想は21年2月期と同額の35円(期末一括)である。

 売上高は販売先等の動向を勘案して微増収予想としている。各利益は物流費や人件費の増加を売上原価率の低下で吸収して小幅増益予想としている。ただし保守的な印象が強く、上振れの可能性がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は1月の上場来高値から反落して水準を切り下げている。目先的には増益率鈍化の保守的な予想に対して売りが優勢になる可能性もあるが、決算発表前に調整しているため下値限定的だろう。反発を期待したい。4月13日の終値は3210円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS295円63銭で算出)は約11倍、時価総額は約206億円である。

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