トーセは21年8月期通期予想据え置き

(決算速報)
トーセ<4728>(東1)は4月14日の取引時間終了後に21年8月期第2四半期累計の連結業績を発表した。顧客要望による開発スケジュールの変更・売上計上の下期へのズレ込みで計画を下回り、減収・赤字だった。ただし通期予想は据え置いた。21年8月期は次期以降に向けた仕込みの期と位置付けて減収減益予想としている。22年8月期の収益拡大を期待したい。株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。通期減収減益予想を織り込み済みであり、出直りを期待したい。

■21年8月期2Q累計は減収・赤字、通期予想据え置き

 21年8月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比15.8%減の18億38百万円、営業利益が85百万円の赤字(前年同期は1億12百万円の黒字)、経常利益が83百万円の赤字(同1億38百万円の黒字)、四半期純利益が1億03百万円の赤字(同74百万円の黒字)だった。

 計画を下回り、減収・赤字だった。開発業務を遂行している複数の家庭用ゲームソフトの大型案件について、顧客要望によって開発スケジュールが変更となり、売上計上が下期にズレ込んだ。また新型コロナウイルス感染拡大防止策に係る費用の増加も影響した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高7億74百万円で営業利益1億11百万円の赤字、第2四半期は売上高10億63百万円で営業利益26百万円の黒字となる。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年8月期比7.4%減の52億15百万円、営業利益が31.4%減の2億50百万円、経常利益が29.2%減の2億74百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が28.5%減の1億62百万円としている。開発スケジュールが変更になった案件については、下期に売上計上の見込みとしている。配当予想は20年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)である。

 21年8月期は次期以降に向けた仕込みの期と位置付けて、開発スタッフの負担軽減、人材投資、次期以降に開発完了する案件への取り組み増加などで、期初時点で減収減益予想としている。22年8月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。減収減益予想を織り込み済みであり、第2四半期累計業績への反応は限定的だろう。出直りを期待したい。4月14日の終値は840円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS21円44銭で算出)は約39倍、時価総額は約65億円である。

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