神鋼商事は22年3月期大幅増益予想

(決算速報)
 神鋼商事<8075>(東1)は4月28日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収・営業減益だったが、経常・最終増益で着地した。22年3月期は需要が回復基調で大幅増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落して調整局面だったが、大幅増益予想を好感する動きとなった。上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期経常・最終増益、22年3月期大幅増益予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比16.2%減の7841億60百万円、営業利益が7.8%減の44億54百万円、経常利益が3.1%増の40億67百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.9%増の21億98百万円だった。特別利益には投資有価証券売却益7億29百万円、特別損失には減損損失10億24百万円、投資有価証券評価損6億円を計上した。配当は40円減配の50円(第2四半期末15円、期末35円)とした。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収・営業減益だが、経常・最終増益で着地した。各利益は2月26日の上方修正値を上回った。セグメント別経常利益は鉄鋼が36.1%増益、鉄鋼原料が52.5%減益、非鉄金属が32.8%増益、機械・情報が5.1%減益、溶材が61.8%減益だった。

 なお四半期別経常利益は、第1四半期が7億09百万円、第2四半期が9億09百万円、第3四半期が7億36百万円、第4四半期が17億13百万円だった。期後半に需要が回復基調となった。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため21年3月期との比較は非開示)が4080億円、営業利益が21年3月期比14.5%増の51億円、経常利益が27.9%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が36.5%増の30億円としている。

 セグメント別の経常利益の計画は、鉄鋼、鉄鋼原料、溶材が増益見込み、非鉄金属、機械・情報が減益見込みとしている。当面は新型コロナウイルスの影響に不透明感があるものの、需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。なお配当予想は50円増配の100円(第2四半期末50円、期末50円)としている。

■株価は上値試す

 株価は3月の年初来高値圏から反落して調整局面だったが、大幅増益予想を好感する動きとなった。上値を試す展開を期待したい。4月28日の終値は2189円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS338円80銭で算出)は約6倍、時価総額は約194億円である。

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