【編集長の視点】CRI・ミドルウェアは新規採用ゲームタイトルの増加が相次ぎ連続最高純益を再評価し反発

編集長の視点

CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、30円高の1930円と反発して始まり、今年6月4日につけた株式分割の権利落ち後安値1830円から底上げしている。

きょう10日の日経平均株価が、42円安と続落し全般相場が調整色を強めるなか、同社の音声と映像に特化したミドルウェア(基盤ソフト)「CRIWARE」の新規採用が、世界的に進んでいることから、今9月期の連続過去最高純利益更新を見直しゲーム関連株人気を再燃させている。今年5月8日に開示した今期第2四半期(2Q)累計業績が、今年2月の上方修正値を上ぶれて着地したことも、業績期待を高めている。

■新規採用のゲームタイトルは英国アカデミー賞のベストゲーム賞を受賞

同社は国内で唯一、音声と映像のミドルウェアを開発し、許諾販売している企業で、この「CRIWARE」は、家庭用ゲーム分野では、「デファクトスタンダード(事実上の業界標準)」となっており、今年3月現在で採用ゲームタイトルは、3000タイトルを突破、その後も新規採用が続き、今年5月第5週、6月第1週も合計、4タイトルに新規採用された。ゲーム史上最大の制作費約500億円で開発されて昨年9月に世界同時発売されたアクションシューティングゲーム「Destiny」が、同社のミドルウェアを採用し、高画質再生と映像美を実現したとして今年3月に英国アカデミー賞のベストゲーム賞を受賞したことも、世界的な評価を高めている。

業績も、この「CRIWARE」が家庭用ゲームのほかスマートフォンアプリ向けにも新規採用が続き、この使用許諾による許諾料の積み上げで高成長している。今9月期2Q累計業績は、四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、昨年11月の新規株式公開(IPO)時予想から上方修正され修正値を利益が、2700万円~1300万円上回り、売り上げ6億円、経常利益1億3200万円、純利益7900万円で着地した。9月通期業績は、下期に外注費、業務委託費などの負担があるとして、IPO時予想を据え置き、売り上げ12億8600万円(前期比12.3%増)、経常利益2億4800万円(11.8%増)、純利益1億5600万円(同10.2%増)と見込み、純利益は、連続の過去最高更新となるが、なお業績上ぶれ期待を高める。

■25日線から5%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆し一段の戻りを期待

株価は、公開価格2400円でIPOされ1万3500円で初値をつけ、昨年のIPO株でトップの初値倍率となった。その後、上場来高値2万320円まで買い進まれ、今年3月末に株式分割(1対3)の権利を7360円で落とし、権利落ち後は落ち後高値2570円から同安値1830円まで調整した。同安値から底上げ局面にあるが、テクニカル的に25日移動平均線からなお5%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆している。一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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