GMOグローバルサイン・ホールディングスは21年12月期1Q減益、通期予想据え置き

(決算速報)
 GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>(東1)は5月12日の取引時間終了後に21年12月期第1四半期連結業績を発表した。一時的要因や先行投資で減益だった。通期も先行投資で減益予想としているが、第1四半期の進捗率が順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに中期成長を期待したい。株価は軟調展開が続いている。当面は減益を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに水準を切り下げているだけに下値限定的だろう。

■21年12月期1Q減益、通期減益予想据え置き

 21年12月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%減の34億17百万円、営業利益が25.9%減の3億08百万円、経常利益が40.4%減の2億93百万円、四半期純利益が36.2%減の2億29百万円だった。電子認証・印鑑事業のSSL有効期限短縮による一時的な単価下落、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」への投資拡大の影響で減益だった。

 セグメント別(21年12月期からセグメント区分変更)に見ると、電子認証・印鑑事業は一時的単価下落と先行投資で1.0%減収、45.5%減益だった。クラウドインフラ事業は従来のホスティングサービスの減少で0.2%減収だが、クラウドサービスの伸長やコスト最適化などで15.9%増益だった。新規事業が中心のDX事業は3.6%増収で赤字縮小した。

 通期予想は据え置いて、売上高が20年12月期比6.7%増の142億29百万円、営業利益が25.7%減の10億08百万円、経常利益が24.7%減の10億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が33.8%減の7億75百万円、配当予想が17円17銭減配の33円64銭としている。

 電子認証事業を中心としたトラストサービスを柱として、電子印鑑GMOサインなど成長分野の新規サービス収益化に向けた施策に取り組むため、先行投資負担で減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高24.0%、営業利益30.6%、経常利益27.9%、当期純利益29.5%と順調である。通期予想に上振れ余地がありそうだ。さらに中期成長を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は軟調展開が続いている。当面は減益を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに高値から3分の1水準まで切り下げているだけに下値限定的だろう。5月12日の終値は5210円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS67円28銭で算出)は約77倍、時価総額は約609億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る