ジャパンフーズは戻り試す、22年3月期黒字回復予想

(決算速報)
ジャパンフーズ<2599>(東1)は5月12日の取引時間中に21年3月期連結業績を発表した。新型コロナ影響で減収・赤字だった。22年3月期は新型コロナ影響の緩和や新SOT缶ラインの本格稼働による受注増加、さらにコスト削減などで黒字回復予想としている。収益回復を期待したい。株価は悪地合いの中でも黒字回復予想を好感する動きとなった。戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期は新型コロナ影響で赤字、22年3月期は黒字回復予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比21.0%減の123億78百万円、営業利益が7億50百万円の赤字(20年3月期は4億08百万円の黒字)、経常利益が5億64百万円の赤字(同4億58百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が4億98百万円の赤字(同1億19百万円の黒字)だった。配当は20年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)である。

 大幅減収で赤字だった。海外飲料受託事業の伸長などで事業取込利益が拡大(2億08百万円増加の2億26百万円)したが、主力の国内飲料受託製造事業が新型コロナウイルスによる市場環境悪化の影響を受けた。国内受託製造数は23.7%減少した。新型コロナウイルスによる当期純利益への影響額は、受注減少が23億50百万円のマイナス要因、変動経費減少が10億円のプラス要因、差し引き13億50百万円のマイナス影響だった。

 なお従来予想との比較で見ると、営業利益(従来予想8億20百万円の赤字)はコスト削減などで赤字縮小したが、当期純利益(同3億50百万円の赤字)は繰延税金資産の一部取崩で1億61百万円の法人税等調整額を計上したため赤字拡大した。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比16.8%減の103億円、営業利益が4億40百万円の黒字(21年3月期は7億50百万円の赤字)、経常利益が5億10百万円の黒字(同5億64百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が4億円の黒字(同4億98百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)である。

 事業取込利益は減少の計画(純利益ベースで86百万円減少の1億40百万円)だが、新型コロナ影響の緩和や新SOT缶ラインの本格稼働による受注増加(国内製造数は25.9%増の計画)、さらにコスト削減(低重心経営による変動費・固定費削減の更なる進捗)効果などで、単体ベースの収益が回復(純利益ベースで21年3月期実績7億24百万円の赤字、22年3月期計画2億60百万円の黒字)し、全体として黒字回復予想としている。収益回復を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は悪地合いの中でも黒字回復予想を好感する動きとなった。戻りを試す展開を期待したい。5月12日の終値は1214円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円94銭で算出)は約15倍、時価総額は約62億円である。

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