JSPの第1四半期は営業利益3%減だが中国や台湾ではAIサーバー向け包装材など堅調

(決算速報)

■北米自動車市場は堅調だったが関税を見越した駆け込み需要の影響も踏まえて臨む

 JSP<7942>(東証プライム)の第1四半期(2025年4~6月)連結決算は、売上高が前年同期並みの343億92百万円(前年同期比0.3%減)となり、営業利益は12億53百万円(同3.0%減)だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は退職金制度における一部制度の移行による特別利益もあり12億93百万円(同3.4%増)だった。

 食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」や、産業用包装材やフラットパネルディスプレイ向けの発泡ポリエチレンシート「ミラマット」、高機能材製品の発泡ポリプロピレン「ARPRO」などを製造販売する。
国内発泡プラスチック業界は自動車向けも含め総じて厳しい状況となった。一方、海外では、北米、欧州は濃淡があったが、中国および台湾ではバッテリー関連やAIサーバー向け包装材の需要が引き続き堅調に推移し、利益面では当初の想定を上回る水準で進捗している。

 こうした推移を受け、第2四半期と今3月期の連結業績予想を全体に見直した。今3月期の連結予想売上高は、4月に開示した前回予想を2.7%下回る1420億円の見込みとし、営業利益は同14.3%下回る60億円の見込みに、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.0%下回る48億円の見込みに見直した。

 第1四半期の北米自動車市場は一時的に堅調に推移したが、関税政策の適用を見越した駆け込み需要の影響もあったとみており、第2四半期以降は市場の調整局面に入る可能性が高く、厳しい需要環境が続くと予測している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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