NECとカゴメは豪州での実証成果を踏まえ農業ICTプラットフォーム「CropScope」を強化

■新規契約先の拡大を図り、持続可能な農業に貢献

 NEC<6701>(東1)は、カゴメ<2811>(東1)と2020年4月から共同で事業展開をしているNECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を強化したと発表。

 営農改善に役立つ各種機能を追加するとともに、これまでと異なる環境下での検証において安定した収穫量を実現しした。これにより、新規契約先の拡大を図り、営農現場の課題解決を通じた持続可能な農業の実現に貢献していく。(写真=順調に生育中のAI営農アドバイスサービス適用圃場/土壌水分変化などの圃場異常を通知する機能)

 「CropScope」は、センサーや衛星写真を活用したトマトの生育状況や圃場環境(土壌の状態)を可視化するサービスと、AIを活用した営農アドバイスを行うサービスで構成されている。熟練栽培者のノウハウを習得したAIが、水や肥料の最適な量と投入時期を指示するため、加工トマト生産者は栽培技術の巧拙に関わらず、収穫量の安定化と栽培コストの低減が期待できるとともに、地球環境に優しい農業を実践できる。

 また、熟練者の営農ノウハウの形式知化により、技術継承や優秀な熟練栽培者の営農の再現が可能となり、産地の拡大や、新規就農者の営農支援を行うことが可能となる。さらに、トマト一次加工品メーカーの管理者や生産法人のオーナーは、自社圃場や契約農家の圃場におけるトマトの生育状況を網羅的に把握することができるため、客観的なデータに基づいた全体最適な収穫調整が可能となり、生産性の向上が図れる。

■AI営農アドバイスサービスの汎用性を強化

 NECとカゴメは2020年に、オーストラリアのカゴメ子会社(KAGOME Australia Pty Ltd.)と共同で「CropScope」の実証試験を実施した。これまで「CropScope」を適用してきたポルトガルとは土壌や品種、灌漑設備など栽培条件が異なるため、地下灌漑での土壌水分シミュレーションやオーストラリアでの熟練栽培者のデータを学習し、分析手法などの強化を行った。これにより、北半球から南半球まで、環境が異なる状況下においても熟練栽培者と同等の収穫量が実現可能となる。

■ユーザーの声をもとに、アプリケーションの利便性を向上

 「CropScope」を活用する世界各国の大規模生産現場ユーザーの声をもとに、土壌水分変化などの圃場異常を通知する機能、営農判断の優先順位を圃場毎にリスト化しデータをシンプルに表現する機能、蓄積データを活用し営農改善や振り返りに活用できる圃場間比較分析機能などを搭載し、アプリケーションの利便性を向上した。

 両社は今後、主に欧州や米州などのトマト一次加工品メーカーやトマト生産法人に向けた提案を強化し、本事業の成長スピードを加速していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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