【編集長の視点】JIAは反落も1Qの好決算・通期の連続最高純益更新を手掛かりに下げ過ぎ訂正買いが再燃余地

編集長の視点

ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)<7172>(東マ)は、23円安の1727円と3営業日ぶりに反落して始まっている。今年5月に政府により企業の節税策に報告義務を検討するとの報道を受けて1550円安値まで下ぶれ300円幅のリバウンドをしており、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ同社が、今年5月12日に開示した今期第1四半期(1Q)業績が、第2四半期(2Q)累計業績に対して高利益進捗率を示して着地し、今12月期業績も、大幅増収増益で過去最高更新を予想しており、再度、下値に下げ過ぎ訂正買いが再燃する展開も有力となる。節税策の報告義務も、同社のオペレーティング・リース商品は、対象外となるとみられることも安心買いにつながろう。

■1Q業績は高利益進捗し12月通期純利益は66%増予想と連続高成長

同社の今期1Q業績は、売り上げ4億3000万円、営業利益1億8500万円、経常利益1億3800万円、純利益8700万円となった。四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はないが、期初予想の今期2Q累計業績に対する利益進捗率は、60%~65%と目安の50%を上回った。主要顧客の中小企業では、業績回復や法人実効税率の段階的引き下げなどで同社のオペレーティング・リース商品への投資意欲が旺盛に推移し、航空機案件では1件(組成金額45億1700万円)を組成し、2件(販売金額22億6600万円)を完売、コンテナ物件では、2件(販売金額17億2800万円)を販売、太陽光発電物件では2件(組成金額10億2000万円)を組成し、2件(販売金額10億2000万円)を販売したことなどが要因となった。

今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ20億1100万円(前期比91.7%増)、営業利益9億9300万円(同89.1%増)、経常利益10億8700万円(同71.4%増)、純利益6億5200万円(同66.0%増)と前期と同様の大幅増収増益を見込み、連続して過去最高を更新する。昨年9月の新規株式公開(IPO)により知名度、信用力が向上し、1Qに税理士・会計事務所6件、地方銀行5行と新規にビジネスマッチング契約を結び、累計提携先が合計95社に拡大、資金調達力も向上しており、航空機物件、コンテナ物件、再生エネルギーファンド事業で投資家の投資ニーズに最適な商品を組成、販売することなどが寄与する。

なお政府が検討している節税商品に対する税理士やコンサルティング会社などへの報告義務付けは、10億円以上の大口取引が対象となり、同社商品は対象外になるとみられている。

■分割権利落ち後の日柄・値幅調整に一巡感を強め25日線水準から再発進

株価は、昨年9月に公開価格2550円でIPOされ、5770円で初値をつけ上場来高値1万3780円まで買い進まれ、1万250円で昨年12月31日を基準日とする株式分割(1対5)の権利を落とした。権利落ち後は、落ち後安値1495円から前期業績の上方修正でストップ高して落ち後高値2300円をつけ、節税商品の報告義務報告で1500円台まで下ぶれ、下げ過ぎとしてリバウンド、25日移動平均線を出没する値固めを続けている。分割権利落ち後の日柄調整、値幅調整は一巡感を強めており、一段の戻りに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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