ヤマシタヘルスケアホールディングスは22年5月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1)は9月30日の取引時間終了後に22年5月期第1四半期連結業績を発表した。新型コロナ影響が和らいで実質的に増収となり、各利益は大幅増益だった。通期予想は据え置いて減益予想としているが、上振れの可能性がありそうだ。株価は大幅増益を好感して急伸している。戻りを試す展開を期待したい。

■22年5月期1Q大幅増益、通期減益予想据え置きだが上振れの可能性

 22年5月期第1四半期連結業績(収益認識基準適用のため売上高の増減率は非掲載、利益に影響なし)は、売上高が128億85百万円、営業利益が3.1倍の2億02百万円、経常利益が2.7倍の2億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.8倍の1億44百万円だった。なお収益認識基準適用で売上高が38億69百万円、売上原価が38億69百万円、それぞれ減少している。従来基準によった場合の売上高は前年同期比7.9%増の167億55百万円だった。

 医療機器販売業は、売上高が128億35百万円(従来基準によった場合の売上高は前年同期比8.3%増の167億04百万円)で、営業利益が61.4%増の4億04百万円だった。新型コロナ影響が和らいで手術数や外来・入院患者数が回復傾向となり、一般消耗品分野(同9.1%増収)や低侵襲治療分野(同14.6%増収)を中心に堅調に推移して全体を牽引した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が498億38百万円、営業利益が21年5月期比44.0%減の5億42百万円、経常利益が43.0%減の5億84百万円、親会社株主帰属当期純利益が48.9%減の3億46百万円としている。なお従来基準で試算した場合の売上高は7.6%減の648億06百万円としている。配当予想は49円減配の41円(期末一括)である。

 新型コロナ影響(取引先医療機関における手術や検査・処置症例の減少に伴う消耗品の販売減少)が継続し、前期に発生したコロナ対策補助金による一時的なコロナ関連商品の需要継続が見込めないため減収減益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が25.9%、営業利益が37.3%、経常利益が37.8%である。医療機関の設備投資関連で第2四半期と第4四半期の構成比が高くなる傾向があることを勘案すれば、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は7月の直近安値圏から反発して徐々に下値を切り上げ、さらに第1四半期の大幅増益を好感して急伸している。戻りを試す展開を期待したい。10月1日の終値は2060円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円69銭で算出)は約15倍、時価総額は約53億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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