【注目銘柄】日東電工は4期ぶり最高純益見直しにワクチン関連人気がオンして続伸

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 日東電工<6988>(東1)は、前日31日に100円高の8850円と続伸して引けた。同社株は、今年1月26日に今2022年3月期第3四半期(2021年4月~12月期、3Q)決算の開示に合わせて、今3月期通期業績の2回目の上方修正を発表したが、3Q3カ月の利益が伸び悩むとして8150円安値まで660円安と急落した。ただ今3月期通期純利益自体、4期ぶりに過去最高を更新する予想となっていることを見直し、下げ過ぎ修正買いが増勢となった。また再上方修正の要因の一つに新型コロナウイルス感染症のワクチンの免疫補強材「アジュバント」の需要増を上げていることも、「オミクロン株」が爆発的に感染が拡大していることから、側面支援材料視されている。

■高精度基板とワクチン免疫補強材の需要増が再上方修正の両輪

 同社の今3月期業績は、昨年10月に上方修正されたが、その修正値をさらに上方修正した。10月修正値より売り上げを100億円、営業利益、経常利益を70億円、純利益を50億円それぞれ引き上げ、売り上げ8550億円(前期比12.3%増)、営業利益1330億円(同41.8%増)、経常利益1330億円(同42.5%増)、純利益950億円(同35.3%増)と2ケタ続伸を見込み、純利益は、2018年3月期の過去最高(873億7700万円)を更新する。プリント回路でハイエンドのスマートフォン向けの高精度基板の需要増、核酸受託製造では「アジュバント」の需要拡大を再上方修正要因とした。

 ただ四半期の3カ月ごとの純利益の推移を比べると第1四半期(1Q)の208億4400万円が、第2四半期(2Q)に312億9400万円と伸びたが、3Qは257億6000万円にとどまり伸び悩みとの評価につながった。ただ今3月期通期予想業績そのものは、市場コンセンサスを上回っているほか、国内大手証券も業績上ぶれを観測して目標株価を引き上げており、下げ過ぎ評価が再燃した。

■下値支持線の25日線をクリアし1年ぶりの1万円大々台の奪回も

 株価は、昨年7月発表の今期1Qの大幅続伸業績に反応して9450円まで買われて、昨年来安値7390円へ調整し、昨年10月の1回目の業績上方修正で9030円の高値をつけて7800円安値まで再調整し、25日移動平均線を下値支持線に底上げ、年明け後に半導体関連株の割安株として9280円まで上昇し、業績再上方修正では8150円と売られた。同安値後の続伸で上ヒゲながら25日線をクリアしPER13.7倍の割安修正への再発進軌道に入ってきた。今年1月高値9280円抜けから昨年2月以来の1年ぶりの1万円大々台の奪回も目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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