トーソーは22年3月期3Q累計減益だが進捗率順調

(決算速報)
 トーソー<5956>(東2、新市場区分スタンダード)は2月3日の取引時間中に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。住宅分野や海外販売で持ち直しの動きが見られたが、コロナ禍の影響などで宿泊施設を中心に非住宅分野の需要が減少し、原材料価格高騰も影響して減益だった。通期予想は据え置いた。第3四半期累計の利益進捗率は順調であり、通期利益予想に上振れの可能性がありそうだ。株価は小幅レンジでモミ合う形だ。第3四半期累計減益に対するネガティブ反応も限定的だった。調整一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計減益だが通期予想に対する進捗率順調

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比1.6%減の152億88百万円、営業利益が23.6%減の5億82百万円、経常利益が21.5%減の6億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が25.0%減の3億91百万円だった。なお収益認識基準適用の影響額として、売上高が27百万円減少、販管費が18百万円減少、営業利益が9百万円減少した。

 住宅分野や海外販売で持ち直しの動きが見られたが、コロナ禍の影響などで宿泊施設を中心に非住宅分野の需要が減少し、原材料価格高騰も影響して減益だった。セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が2.2%減の149億89百万円で営業利益が25.7%減の5億65百万円だった。非住宅分野を中心に売上が伸び悩み、営業費用の増加も影響した。その他は売上高が34.6%増の2億98百万円で営業利益が16百万円(前年同期は0百万円)だった。販売活動強化で増収だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億44百万円で営業利益が90百万円、第2四半期は売上高が51億03百万円で営業利益が1億45百万円、第3四半期は売上高が53億41百万円で営業利益が3億47百万円だった。

 通期の連結業績予想(収益認識基準適用のため前期比増減率は非記載、損益への影響は軽微)は据え置いて、売上高が217億円、営業利益が7億20百万円、経常利益が7億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が4億70百万円としている。21年3月期実績値(収益認識基準適用前)との単純比較で、売上高は1.3%増収、営業利益は34.4%減益、経常利益は36.0%減益、親会社株主帰属当期純利益は37.3%減益となる。配当予想も据え置いて21年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。

 コロナ禍による不透明感などを考慮して減益予想としているが、第3四半期累計の進捗率は売上高が70.5%、営業利益が80.8%、経常利益が84.5%、親会社株主帰属当期純利益が83.2%となり、利益進捗率が順調だった。通期利益予想に上振れの可能性がありそうだ。

■株価は3Q累計減益に対するネガティブ反応限定的

 株価は小幅レンジでモミ合う形だ。第3四半期累計減益に対するネガティブ反応も限定的だった。調整一巡して出直りを期待したい。2月3日の終値は520円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円67銭で算出)は約10倍、時価総額は約52億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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