マーチャント・バンカーズは22年3月期3Q累計大幅増収増益

(決算速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東2、新市場区分スタンダード)は2月14日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引して大幅増収増益だった。通期も大幅増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期22年3月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比2.2倍の22億88百万円、営業利益が3億08百万円(前年同期は3百万円)、経常利益が2億17百万円(同61百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億49百万円(同1億97百万円の赤字)だった。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、販管費の抑制も寄与して大幅増収増益だった。

 マーチャント・バンキング事業は売上高が4.1倍の23億11百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が2.4倍の5億20百万円だった。賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移したことに加えて、営業投資有価証券として保有するCN Innovations Holdings Limitedの売却、収益不動産2物件(北海道函館市の福祉施設、大阪市天王寺区の収益用マンション)の売却など、国内外から得られる投資収益も寄与して大幅増収増益だった。なおブロックチェーン事業においては、第2四半期にNFT売買プラットフォームを正式オープンした。

 オペレーション事業は売上高が2.5%増の5億05百万円で利益が45百万円の赤字(前年同期は85百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響が徐々に和らいで収益回復傾向である。子会社で催事販売・通信販売を展開するケンテンも堅調だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が12億28百万円で営業利益が3億01百万円、第2四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が28百万円、第3四半期は売上高が3億04百万円で営業利益が21百万円の赤字だった。第1四半期と第2四半期に投資収益を計上した。

 通期連結業績予想(21年6月28日に上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比62.0%増の26億50百万円、営業利益が2.0倍の4億50百万円、経常利益が2.6倍の3億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億30百万円(21年3月期は44百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の2円(期末一括)である。

 マーチャント・バンキング事業の成長が牽引して大幅増収増益予想としている。マーチャント・バンキング事業では、回収した資金によって収益不動産の取得や、連結貢献できる企業M&Aを積極推進する方針だ。オペレーション事業はコロナ禍の影響が和らいで収益回復が見込まれる。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが、売り一巡して下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。2月15日の終値は268円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円24銭で算出)は約33倍、そして時価総額は約79億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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