マーケットエンタープライズは22年6月期2Q累計赤字だが中期経営計画の進捗順調

(決算速報)
 マーケットエンタープライズ<3135>(東1、新市場区分プライム)は、2月14日の取引時間終了後に22年6月期第2四半期累計連結業績を発表した。22年6月期は成長戦略再構築のステージと位置付けて通期赤字予想としているため、第2四半期累計は赤字だった。ただし中期経営計画の進捗は順調としている。第1四半期がボトムとなった可能性もあり、23年6月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが売り一巡感を強めている。赤字予想の織り込み完了して底値圏だろう。出直りを期待したい。

■22年6月期は成長戦略再構築のステージ、2Q累計赤字だが進捗順調

 22年6月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比2.4%減の54億92百万円、営業利益が2億04百万円の赤字(前年同期は2億06百万円の黒字)、経常利益が2億21百万円の赤字(同1億95百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億77百万円の赤字(同93百万円の黒字)だった。在庫積み増しに伴って売上総利益が減少し、広告宣伝費や人件費の増加も影響して営業赤字だった。

 ネット型リユース事業は売上高が7.4%減の31億08百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が93.8%減の21百万円だった。買取依頼数・金額は高水準に推移したが、マーケティング投資の積極化、マシナリーの新拠点開設費用、積極的な採用活動やシステム投資など先行投資の影響で赤字だった。

 メディア事業は売上高が14.3%減の2億61百万円で、利益が8.5%減の1億43百万円だった。第1四半期の落ち込みをカバーできず減収減益だが、第2四半期には収益性の高いキーワードにおける検索ランキングが回復傾向となり、モバイル通信に関するメディアへの送客収入も回復傾向となった。

 モバイル通信事業は売上高が5.9%増の21億61百万円で、利益が55.5%減の50百万円だった。新商材のWiMAX 5Gを中心に新規回線獲得数は増加傾向だが、ストック収益基盤構築に向けた新たな料金プラン設定によって新規契約回線獲得時に計上される一時的収益が低下した。新規回線獲得に向けたマーケティング投資積極化も影響して減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が26億07百万円で営業利益が1億65百万円の赤字、第2四半期は売上高が28億85百万円で営業利益が39百万円の赤字だった。第2四半期は第1四半期比で売上高、営業利益とも改善し、業績底打ち感を強めている。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年6月期比10.3%増の120億円、営業利益が4億円の赤字(21年6月期は54百万円の黒字)、経常利益が4億05百万円の赤字(同32百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が4億40百万円の赤字(同40百万円の赤字)としている。

 中期経営計画(21年8月13日公表)の最終年度24年6月期の目標値である売上高200億円、営業利益12億円の達成に向けて、22年6月期は成長戦略再構築のステージと位置付けて赤字予想としている。第2四半期累計は赤字だったが、中期経営計画の進捗は順調としている。第1四半期がボトムとなった可能性もあり、23年6月期の収益回復を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏だが売り一巡感を強めている。赤字予想の織り込み完了して底値圏だろう。出直りを期待したい。2月15日の終値は663円、時価総額は約35億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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