【注目銘柄】エヌ・シー・エヌは昨年来安値水準からリバウンド幅を拡大、3Q高利益進捗率業績を見直し下げ過ぎ修正

注目銘柄

 エヌ・シー・エヌ<7057>(JQS)は、今年2月24日に売られた昨年来安値1000円からのリバウンド幅を拡大させている。今年2月14日に発表した今2020年3月期第3四半期(2021年4月~12月期、3Q)業績が、大幅続伸して着地し、昨年11月に上方修正された今3月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し、業績再上ぶれ着地期待を強め下げ過ぎ修正買いが再燃した。また同社主力の住宅・非住宅の大規模木造建築について、政府が関連法を改正・施工し「カーボンニュートラル」のグリーン戦略の一角に位置付けていることも、側面支援材料視されている。

■政策後押しの大規模木造建築も好調で3Q利益進捗率は90%超

 同社の今期3Q業績は、売り上げ61億1700万円(前年同期比24.4%増)、営業利益2億9800万円(同36.7%増)、経常利益2億9800万円(同20.9%増)、純利益2億1200万円(同23.1%増)と続伸した。住宅分野では、独自の木構造システム「SE構法」の登録工務店が、新規に34社入会して564社となり、SE構法出荷件数が計画通りに1096件となり、ウッドショックによる木材価格上昇をスムーズに販売価格に転嫁して売り上げが51億6000万円(同21.5%増)と伸び、大規模木造建築(非住宅)分野でも、コロナ禍で工事が遅れていた公共工事などが徐々に再開されSE出荷件数が45件(同32.4%増)、売り上げが6億5400万円(同52.6%増)と好調に推移したことが要因となっている。

 今3月期通期業績は、昨年11月の上方修正値を据え置き売り上げ79億5900万円(前期比8.1%増)、営業利益3億800万円(同52.4%増)、経常利益3億2400万円(同26.0%増)、純利益2億3300万円(同16.8%増)と見込んでいる。しかし3Q業績の利益進捗率は、この3月期通期予想業績に対して90%~96%に達しており、再上ぶれ着地期待につながっている。なお同社は、このSE構法に関して今年2月に住宅規模から大規模建築規模までの木構造の基礎・応用・開発研究のための「木構造技術センター」を開設したほか、昨年10月には業界初の「非住宅版SE構法 構造性能保証制度」を開始し、CADセンターを開設するなど、政府が公共建築物以外にも大規模構造建築物の普及・促進のために「改正公共建築物用木材利用促進法」を施行したことに対応する積極策を展開し、政策の後押しを受ける。

■PER14倍とJQ市場平均を下回り今年1月の戻り高値目指す

 株価は、昨春の「ウッドショック」関連の木材株人気の波及でつけた昨年来高値1668円から期初の今3月期業績の減益転換予想や今期第1四半期業績の減益着地などが続いて1099円まで調整し、今期業績の上方修正で今年1月に1360円の戻り高値までリバウンドしたが、新型コロナウイルス感染症の第6波による全般相場の波乱と今期3Q決算発表時に業績の再上方修正が見送られたことが重なり、昨年来安値1000円まで再調整した。同安値から売られ過ぎとして底上げ、木構造技術センター開設も加わって1116円までリバウンドして1000円大台固めを続けている。PERは14.5倍とジャスダック(JQ)市場の平均PER16.3倍を下回っており、売られ過ぎ修正に再発進しまず今年1月の戻り高値1360円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る