ベステラは調整一巡、23年1月期は一過性利益剥落で経常・最終減益予想だが受注堅調

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東1、新市場区分プライム)は3月11日の取引時間終了後に22年1月期連結業績を発表した。大型工事が順調に進捗し、工事原価率改善や一過性利益(持分法投資利益、特別利益)も寄与して大幅増収増益だった。売上高、各利益とも過去最高を更新した。23年2月期は一過性利益の剥落や成長投資の影響で経常・最終減益予想としている。ただし受注は堅調に推移する見込みだ。受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年1月期経常・最終減益予想だが受注堅調

 22年1月期の連結業績(2月16日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が21年1月期比62.0%増の59億66百万円、営業利益が4.9倍の6億07百万円、経常利益が3.9倍の8億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が10.3倍の14億67百万円だった。配当は21年1月期と同額の16円(第2四半期末6円、期末10円)としている。

 大幅増収増益で、売上高、各利益とも過去最高を更新した。大型工事が順調に進捗し、高度なアスベスト除去技術を持つ矢澤の子会社化(21年12月)や工事原価率の改善も寄与した。期首繰越工事高は25億45百万円、受注高は2.6%減の47億85百万円、完成工事高は68.0%増の57億36百万円、期末繰越工事高(受注残高)は37.4%減の15億94百万円だった。

 完成工事の業界別構成比は電力が21%、製鉄が17%、石油・石化が35%、環境が21%、他が6%、受注残高の業界別構成比は電力が17%、製鉄が24%、石油・石化が39%、環境が16%、他が4%だった。

 なお営業外収益に持分法投資利益2億01百万円、特別利益に持分法適用関連会社のリバーホールディングスがタケエイと経営統合してTREホールディングス<9247>が新規上場(21年10月1日付)したことに伴う株式移転で企業結合における交換利益12億75百万円を計上している。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高13億18百万円で営業利益1億98百万円、第2四半期は売上高10億17百万円で営業利益37百万円の赤字、第3四半期は売上高13億20百万円で営業利益82百万円、第4四半期は売上高が23億11百万円で営業利益が3億64百万円だった。第2四半期は従業員への特別賞与支給、風力発電設備解体工法開発費用の計上で赤字だった。第4四半期は過去最高の完成工事高だった。

 23年1月期連結業績予想は売上高が22年1月期比12.3%増の67億円、営業利益が2.0%増の6億20百万円、経常利益が20.8%減の6億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が68.1%減の4億69百万円としている。配当予想は22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 前期に計上した一過性利益(持分法投資利益、特別利益)が剥落し、さらに成長投資(新たな環境関連工法の研究開発、クレーンレール検査ロボット開発、人材育成システムの構築、積極的なM&Aなど)で経常・最終減益予想としている。ただし受注は堅調に推移する見込みだ。受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で中期的に収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。3月11日の終値は1196円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円40銭で算出)は約22倍、時価総額は約107億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る