巴工業は22年10月期1Q営業・経常減益、通期減益予想据え置き

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(決算速報)
巴工業<6309>(東1、新市場区分プライム)は3月14日の取引時間終了後に22年10月期第1四半期連結業績を発表した。化学工業製品販売事業は伸長したが、機械製造販売事業の海外向け機械や部品・修理などが減少し、全体として営業・経常減益だった。通期予想を据え置いた。売上構成差や経費増加などを考慮して減益予想としている。ただし第1四半期の進捗率が概ね順調であり、通期上振れを期待したい。株価は1月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。目先的には第1四半期の営業・経常減益を嫌気する可能性があるが、通期減益予想を織り込み済みであり下値限定的だろう。

■22年10月期1Q営業・経常減益、通期減益予想据え置き

22年10月期第1四半期連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載、利益への影響軽微)は、売上高が99億60百万円、営業利益が前年同期比18.6%減の5億28百万円、経常利益が17.1%減の5億59百万円だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益(固定資産売却益4億56百万円)を計上して38.6%増の6億89百万円だった。

化学工業製品販売事業は伸長したが、機械製造販売事業が減少したため、全体として営業・経常減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が14億03百万円減少、売上原価が14億34百万円減少、営業利益が30百万円増加、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ32百万円増加している。

機械製造販売事業は、売上高が19億23百万円(収益認識会計基準適用の影響額として1億82百万円増加、旧基準ベースでは前年同期比38.6%減の17億41百万円)で、営業利益が36百万円の赤字(前年同期は1億10百万円の黒字)だった。国内官需向け機械および装置・工事が伸長したが、国内民需向け機械、海外向け機械、全分野の部品・修理が減少した。

化学工業製品販売は売上高が80億37百万円(同15億85百万円減少、旧基準ベースでは前年同期比23.8%増の96億23百万円)で、営業利益が5.0%増の5億65百万円だった。工業材料関連の建材・耐火物用途、化成品関連の塗料・インキ用途、電子材料関連の半導体製造用途を中心に伸長した。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が396億50百万円、営業利益が21年10月期比16.0%減の23億90百万円、経常利益が17.4%減の24億円、親会社株主帰属当期純利益が7.0%減の19億60百万円としている。配当予想は21年10月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

第12回中期経営計画の最終年度にあたり、世界経済の緩やかな回復を想定し、計画達成に向けて海外ビジネス拡大を推進する。セグメント別計画は、機械製造販売の売上高が128億円、営業利益が収益性の良い部品修理販売の減少と販管費の増加で12.1%減の7億80百万円、化学工業製品販売の売上高が265億80百万円、営業利益が営業開発関係の販管費の増加で17.7%減の16億10百万円としている。なお特別利益に社員寮売却益の計上を見込んでいる。

22年10月期は売上構成差や経費増加などを考慮して減益予想としている。ただし保守的だろう。第1四半期の進捗率は売上高25.1%、営業利益22.1%、経常利益23.3%、親会社株主帰属当期純利益35.2%と概ね順調である。通期上振れを期待したい。

■株価は戻り歩調

株価は1月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。目先的には第1四半期の営業・経常減益を嫌気する可能性があるが、通期減益予想を織り込み済みであり下値限定的だろう。3月14日の終値は2315円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS196円43銭で算出)は約12倍、時価総額は約244億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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