【どう見るこの株】安江工務店は急反発、22年12月期上振れ余地

 安江工務店<1439>(JQ、新市場区分スタンダード)は愛知県を地盤に、住宅リフォーム事業を主力として住宅関連事業を展開している。22年12月期はウッドショックなどの影響を考慮して小幅営業・経常増益にとどまる計画としているが、主力の住宅リフォーム事業が牽引して上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、目先的な売りが一巡して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。

■住宅リフォーム事業が主力

 愛知県を地盤に、住宅リフォーム事業(21年12月期売上構成比75%)を主力として、注文住宅の新築住宅事業(同14%)や、不動産売買・仲介の不動産流通事業(同11%)も展開している。自然素材を活かしたオンリーワンの住まいづくりなど高付加価値サービスによる他社との差別化戦略、および地域密着型の営業体制を特徴・強みとしている。

 さらにM&Aも活用して営業エリア開拓・業容拡大を推進している。17年9月に住宅リフォーム事業のN―Basic(兵庫県神戸市)を子会社化、18年5月に新築・住宅リフォーム事業のトーヤハウス(熊本県熊本市)を子会社化、20年1月にインテリア業のアプリコット(兵庫県姫路市)を子会社化、20年3月にマノモクハウジング(愛知県豊田市)の住宅リフォーム事業・不動産流通事業を譲り受け、20年10月に住宅リフォーム事業のMIMA(大阪府八尾市)を子会社化した。そして22年2月現在、グループ全体で24店舗を展開している。

 中期経営計画(21年12月期~23年12月期)では、目標値に23年12月期売上高99億54百万円(リフォーム65億40百万円、新築12億33百万円、不動産10億59百万円、新規M&A11億22百万円)、営業利益3億24百万円を掲げている。重点戦略として、営業エリアの拡大と深耕、総合リフォーム+専門店化による他社との差別化、新築・リフォーム+インテリアによる住宅関連総合企業への展開を推進する。

■22年12月期小幅営業・経常増益予想だが上振れ余地

 22年12月期の連結業績予想は、売上高が21年12月期比7.1%増の74億円、営業利益が5.5%増の2億19百万円、経常利益が3.2%増の2億14百万円、親会社株主帰属当期純利益が22.2%増の1億10百万円としている。配当予想は21年12月期と同額の25円(期末一括)としている。

 既存エリアの深耕やシェア拡大で住宅リフォーム事業が伸長し、現場管理体制の見直しなどで利益率改善も推進する方針としている。新築住宅事業における住宅ローン減税の制度変更やウッドショックによる木材価格の高止まりの影響を見込み、全体として小幅営業・経常増益にとどまる計画としているが、主力の住宅リフォーム事業が牽引して上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は急反発

 なお4月4日移行予定の新市場区分についてはスタンダード市場を選択し、上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。成長拡大戦略の推進、株主還元の強化、株式流動性の向上、IR強化による市場認知度向上など、各種取組を推進することで企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、中期経営計画の成果が反映される23年12月期までに上場維持基準適合を目指すとしている。

 株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、目先的な売りが一巡して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。3月18日の終値は933円で、時価総額は約12億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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