【注目銘柄】エブレンは業績再上方修正と増配を見直し出遅れ半導体関連株人気高める

注目銘柄

 エブレン<6599>(東証スタンダード)は、今年3月18日に目下集計中の今2022年3月期業績の2回目の上方修正と、すでに配当権利落ちとなっているものの期末配当の増配を発表しており、純利益が、2期ぶりに過去最高を更新することを見直し、出遅れ半導体関連株買いが増勢となっている。テクニカル的にも2020年6月の新規株式公開(IPO)後につけた上場来高値6480円から直近の上場来安値までの大幅調整で、経験則の「半値八掛け二割引き」の大底打ちのシグナルを発信していることも買い手掛かりとなっている。

■半導体製造装置向けにバックプレーンが好調推移

 同社の2022年3月期業績は、昨年11月に上方修正されたが、その増額値を今年3月にさらに上方修正した。売り上げを11月修正値より1億5500万円、営業利益を7600万円、経常利益を7000万円、純利益を4400万円それぞれ引き上げ売り上げ39億2000万円(前期比22.4%増)、営業利益5億4500万円(同82.8%増)、経常利益5億3500万円(同78.3%増)、純利益3億5500万円(同77,5%増)とV字回復を見込み、純利益は、2019年3月期の過去最高(2億6100万円)を大幅に更新する。

 同社は、半導体製造装置やFA機器など産業用インフラ設備のボードコンピューターに挿入して回路基板を相互に接続して信号伝達や電力供給の役割を担うバックプレーンを主力製品としており、半導体・半導体装置メーカーの設備投資拡大とともに需要が伸びていることが要因となった。今期第3四半期(2021年4月~12月期、3Q)では、半導体製造装置向けの計測・制御部門の売り上げが、前年同期比45.5%増、売上高構成比が、55.5%から64.8%に高まった。配当は、期初予想の21円(前期実績18円)を22円へ引き上げ、連続増配幅を拡大させる。

■「半値八掛け二割引き」の大底水準から低PER修正期待高める

 株価は、決算発表のたびに好業績推移を示したものの戻り売りなどに押されて下値を探る展開が続き、今年2月の3Q決算発表でも営業利益はほぼ倍増の着地となったが、上場来安値2183円まで売られ、今期業績の再上方修正と増配を手掛かりに底上げに転じた。この上場来安値は、2020年9月の上場来高値6480円から大底打ちの経験則の「半値八掛け二割引き」となる2073円にほぼ並ぶ水準となっており、またPER評価も9.90倍にとどまることから底上げ、逆行高が期待されている。まず今年2月の年初来高値2680円奪回から昨年11月以来の3000円大台回復を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る