【どう見るこの相場】黒字転換&割安株の「究極の高変化株」は自分流業績相場の優先候補株

 米国市場は、どうも決算悪を売る逆業績相場という業績相場のようである。ウォルマートやターゲットなどの小売り大手の四半期業績の減益決算や業績の下方修正を嫌ってダウ工業株30種平均(NYダウ)が連日の年初来安値更新となり、前週20日のNYダウは、週間で8週連続の下落となり、99年ぶりの続落記録と伝えられている。インフレを強力に抑え込もうとするFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め策の加速が、景気を「オーバーキル」する懸念まで織り込んでいるようにみえる。

 翻ってわが東京市場はどうか?3月期決算会社の業績発表がほぼ一巡したが、業績相場なのか需給相場なのかはなはだ向き合い方が難しい。この一つの要因には、ソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)の逆行高を上げる向きもいる。同社の2022年3月期の純利益は、過去最悪の1兆4621億円の赤字に転落し、本来なら決算悪売りで「ソフトバンクグループ・ショック」となるかもしれなかったのが、まさかの逆行高で約800円幅の急騰を演じた。前週末20日に強含み業種別値上がり率ランキングのトップに躍り出た海運株も、大手3社の今2023年3月期の純利益は、前期の過去最高からそれぞれ29%前後の減益転換を予想している。

 確かに今年4月中旬以降の3月期決算の発表進行中は、好業績を開示した銘柄が個別に人気化する決算プレーが目立った。しかし、業績発表が一巡したあとの日本経済新聞の決算集計(1148社ベース)では、製造業の純利益は、前期の67.7%増益が6.3%減益へ減益転換し、金融業を含む全産業でも前期の36.7%増益が1.7%増益に鈍化するとされた。ロシアのウクライナへの軍事侵攻によりエネルギー価格や資源価格が急騰し、このコストアップ分を製品価格に転嫁できるかどうかが、今期業績のポイントと分析されている。

 仮にソフトバンクグループの株価が、さらにリバウンド幅を拡大するようなら業績の先行き動向などは売り材料にはならないのは当然となる。前週末の市場では、東京市場の米国市場離れを観測する早手回しの一部観測も聞こえた。米国市場が、弱気相場色を強めるなかでリスク回避に向け東京市場の比較優位性が高まるとさえ見込んだのである。また6月に迫った参議院選挙を前に、岸田文雄首相は、屋外でのマスク着用を不要とするほか、インバウンド(外国人観光客)関連の水際対策を緩和させるなどと次々に打ち出しており、さらなる国内景気への刺激策や「インベスト・イン・キシダ」よろしく株価へのリップサービスの上乗せも想定しているのかもしれない。

 週明けの東京市場が、米国市場のコピー相場となるか米国市場離れで始まるかは不透明である。そこで今週の当特集では、この中間を狙って「攻め6分、守り4分」の好業績株の個別銘柄物色にフォーカスすることにした。候補株は、今期業績が黒字転換と予想され、この黒転で即割安株に大変身する「究極の高変化株」である。

 多分、理論派の証券アナリストの守備範囲外だろう。しかし、これまで地合い重視の証券マンの業績評価基準で株価インパクトの強いとされたのは「水準より変化率」とするセオリーであった。利益が高水準で安定的に推移している銘柄よりも業績の変化率が高い意外性のある銘柄を選好するセオリーである。このセオリーの応用篇の自分流業績相場となる。米国市場のコピー相場だろうと、米国市場離れだろうと、強気相場だろうと弱気相場だろうと独自評価で逆行高の素地があり、株価優先度がアップすることを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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