マーチャント・バンカーズは23年3月期通期業績予想を上方修正

(業績修正速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は2月6日の取引時間終了後に23年3月期通期連結業績予想の修正を発表した。第4四半期に販売用不動産売却を実行(決済・引渡23年2月中旬~下旬予定)し、大幅増収増益予想としている。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形が続いているが煮詰まり感を強めている。好業績を評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■23年3月期通期業績予想を上方修正

 23年3月期通期連結業績予想は2月6日付で売上高、利益とも上方修正して、売上高が22年3月期比61.0%増の43億80百万円、営業利益が55.2%増の5億20百万円、経常利益が74.3%増の3億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.7倍の2億60百万円とした。大幅増収増益予想である。配当予想は据え置いて22年3月期と同額の2円(期末一括)としている。

 前回予想(22年12月19日付で売上高8億円上方修正、各利益据え置き)に対して、売上高を8億30百万円、営業利益を20百万円、経常利益を20百万円、親会社株主帰属当期純利益を30百万円、それぞれ上方修正した。

 第4四半期に販売用不動産売却を実行(1月30日公表、神戸市灘区、決済・引渡23年2月中旬~下旬予定)し、売上高8億30百万円並びに売却益1億70百万円程度(営業利益)を第4四半期に計上する。

 なお、第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比30.1%減の13億86百万円、営業利益が57.7%減の1億39百万円、経常利益が66.5%減の96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が62.5%減の79百万円だった。前年同期の収益不動産売却益の反動、第2四半期に予定していた投資案件計上の期ズレなどで減益だった。この要因を除けば概ね順調だった。

 マーチャント・バンキング事業は売上高が35.6%減の10億69百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が49.3%減の2億41百万円だった。千葉県成田市の販売用不動産の売却に加えて、賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移したが、前年同期の国内および海外企業からの投資収益、収益不動産の一部売却の反動で減益だった。

 オペレーション事業は売上高が2.0%減の3億31百万円、利益が19百万円の赤字(前年同期は30百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で減収・赤字だが、行動制限の緩和によって各事業の業績は持ち直し傾向となっている。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億11百万円で営業利益が25百万円の赤字、第2四半期は売上高が10億75百万円で営業利益が1億64百万円の黒字だった。

 通期は事業環境として、コロナ禍の影響が和らいで下期以降に経済活動の回復を見込んでいる。そしてマーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、オペレーション事業におけるホテルオペレーション撤退などの影響を吸収して大幅増益予想としている。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は安値圏の小幅レンジでモミ合う形が続いているが煮詰まり感を強めている。好業績を評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。2月6日の終値は302円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円81銭で算出)は約34倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS136円39銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約89億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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