【編集長の視点】きずなホールディングスは株式分割の権利取りを連続最高業績がサポート

■売られ過ぎ修正の側面支援が材料視

 きずなホールディングス<7086>(東証グロース)は、今年7月15日に2022年5月期決算と株式分割を発表しており、株式分割の権利取りの打診買い再燃を前期、今期と過去最高を更新する好業績がサポートしている。テクニカル的にも、5日移動平均線が、25日移動平均線を下から上に抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、売られ過ぎ修正の側面支援材料視されている。

■葬儀ホールの新規出店を倍増させ葬儀件数も続伸

 株式分割は、同社株式の投資単位当たりの金額を引き下げ流動性の向上と投資家層を拡大させることを目的としており、8月31日を基準日に1株を2株に分割する。同社は、将来の事業拡大に必要不可欠な設備投資やM&Aなどの成長投資のための原資のために内部留保の確保を優先し、2020年3月の新規株式公開(IPO)以来、無配を継続しており、今回の株式分割が、初めての株主還元策となる。

 一方、今2023年5月期業績は、前期業績が今年6月27日に上方修正されて着地したのに続き、売り上げ102億円(前期比10.0%増)、営業利益12億2000万円(同13.8%増)、経常利益10億2000万円(同13.7%増)、純利益6億6000万円(同10.2%増)と見込み、前期の過去最高業績を連続更新する。「家族葬ファミーユ」などを展開する直営葬儀ホールの新規出店を前期の10ホールから20ホールに倍増させ、葬儀件数も前期比9.6%増の1万1780件と続伸させ、前期に新型コロナウイルス感染症の影響で伸び悩んだ葬儀単価も同0.8%増の80万7000円と持ち直すと見込んだことなどが要因となる。

■GC示現でPER10倍の割安修正を加速し最高値目指す

 株価は、前期第3四半期の大幅増収増益・高利益進捗率業績をテコに年初来高値2320円へ200円高し、その後の1733円安値からは前期業績の上方修正で2000円大台までリバウンドし、株式分割の発表とともに上値を追いミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは10.4倍となお割安であり、年初来高値を目指し2021年7月につけた上場来高値2575円も視界に捉えてこよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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