JFEシステムズは23年3月期1Q大幅増収増益と順調

(決算速報)
JFEシステムズ<4832>(東証スタンダード)は7月26日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。鉄鋼向けの好調が牽引して大幅増収増益と順調だった。通期は小幅増益予想を据え置いたが保守的だろう。会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期1Q大幅増収増益と順調、通期上振れの可能性

23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比13.5%増の135億26百万円、営業利益が17.4%増の12億23百万円、経常利益が18.0%増の12億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が19.5%増の7億98百万円だった。

JFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトの本格化が牽引して大幅増収増益と順調だった。売上総利益は8.7%増加、売上総利益率は20.7%で0.9ポイント低下、販管費は2.9%増加、販管費比率は11.6%で1.2ポイント低下した。

通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比7.2%増の540億円、営業利益が1.1%増の56億70百万円、経常利益が1.0%増の57億円、親会社株主帰属当期純利益が0.4%増の37億40百万円としている。配当予想は10円増配の85円(第2四半期末40円、期末45円)としている。連続増配予想である。なお中間配当を実施する。

部門別売上高の計画は、鉄鋼が製鉄所システムリフレッシュの更なる進展で31億円増加の261億円、一般顧客が大型案件の減少で4億円減少の160億円、基盤がJFEスチール向けの増加で3億円増加の72億円、子会社がITインフラの増加で6億円増加の47億円としている。

売上面ではJFEスチール向け製鉄所システムリフレッシュプロジェクトが順調に進展するが、利益面はIT人材確保に向けた処遇改善費用や研究開発費用の増加で小幅増益にとどまる見込みとしている。経常利益の増減分析は、増益要因が売上増加で8.2億円、減益要因が利益率低下・販管費等増加で7.6億円としている。

ただし会社予想は保守的だろう。第1四半期の進捗率は売上高が25.0%、営業利益が21.6%、経常利益が21.8%、親会社株主帰属当期純利益が21.3%だった。第1四半期の構成比が低くなる特性を勘案すれば順調な水準であり、会社予想に上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は6月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線も回復した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。7月26日の終値は2365円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS238円14銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想85円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1469円63銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は371億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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