ジーニーは23年3月期1Q大幅増収増益、通期予想に上振れ余地

(決算速報)
ジーニー<6562>(東証グロース)は8月12日の取引時間中に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。IFRS任意適用および広告プラットフォーム事業の売上計上方法変更で増減率非記載だが大幅増収増益だった。広告プラットフォーム事業が牽引し、マーケティングSaaS事業も伸長した。そして通期の大幅増益予想を据え置いた。広告プラットフォーム事業は第3四半期と第4四半期が繁忙期となる季節特性なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。SaaS型プロダクト開発・機能強化などへの先行投資が完了し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重くモミ合い展開だが、第1四半期業績を好感する動きとなった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期1Q大幅増収増益、通期予想に上振れ余地

23年3月期第1四半期連結業績(IFRS任意適用、広告プラットフォーム事業は総額表示から純額表示に変更、前期比増減率は非記載、売上総利益を加えて公表)は、売上収益が14億68百万円、売上総利益が11億71百万円、営業利益が1億91百万円、税引前利益が2億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1億77百万円だった。

前年同期をIFRSおよび広告純額計上ベースに換算すると、売上収益が前年同期比17.9%増収となり、売上総利益は47.7%増益、営業利益は137.3%増益、税引前利益は129.8%増益、親会社株主帰属四半期純利益は167.9%増益となる。主力の広告プラットフォーム事業が牽引し、注力分野のマーケティングSaaS事業も伸長した。

広告プラットフォーム事業は、売上収益が9億50百万円(旧基準前年同期は24億49百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前)が5億20百万円(同3億72百万円)だった。売上総利益は30%増の7.8億円となり、過去最高だった。サプライサイドビジネスにおける新規媒体開拓や得意領域でのシェア拡大、デマンドサイドビジネスにおけるECサイトやオンラインサービスの拡大、デジタルOHH領域における新規取引増加と広告配信画面拡大などで収益拡大した。なお広告プラットフォーム事業は第3四半期と第4四半期が繁忙期となる季節特性がある。

マーケティングSaaS事業は、売上収益が3億85百万円(同2億28百万円)で、セグメント利益が7百万円の赤字(同21百万円の赤字)だった。売上高は過去最高だった。各プロダクトの機能強化や拡販などで有料アカウント数が38.3%増加した。リカーリング収益比率は13.9ポイント上昇して71.7%となった。

海外事業は、売上収益が1億32百万円(同2億91百万円)で、セグメント利益が78百万円(同20百万円)だった。リセラーおよびパートナーシップの強化を推進した。

通期の連結業績予想(レンジ予想、)は、売上高が62億円~66億円、売上総利益が52億円~55億円、営業利益が10億円~12億円、税引前利益が9億円~11億円、親会社株主帰属当期純利益が6億円~8億円としている。配当予想は未定としている。

大幅増収増益予想としている。セグメント別の計画は、広告プラットフォーム事業の売上収益が39億円~40億円でセグメント利益が22億50百万円~23億円、マーケティングSaaS事業の売上収益が19億円~21億50百万円でセグメント利益が2億円~3億円、海外事業の売上収益が4億円~4億50百万円でセグメント利益が1億50百万円~2億円としている。

広告プラットフォーム事業は第3四半期と第4四半期が繁忙期となる季節特性なども勘案すれば通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。SaaS型プロダクト開発・機能強化などへの先行投資が完了し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

株価は上値が重くモミ合い展開だが、第1四半期業績を好感する動きとなった。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。8月12日の終値は999円、今期予想連結PER(会社予想連結EPSの上限45円36銭で算出)は約22倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS153円60銭で算出)は約6.5倍、そして時価総額は約180億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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