【編集長の視点】メドピアは続落も3Q決算発表を前に新規業務提携効果を見直して業績期待は底流

編集長の視点

メドピア<6095>(東マ)は、19円安の1493円と続落して始まっている。25日移動平均線水準で売り買いが交錯しているものだが、ただ、同社は、今年8月12日に今9月期第3半期(3Q)決算の発表を予定しており、これを先取り業績期待は根強い。今年6月10日に発表したメディカルトリビューン(東京都千代田区)との業務提携を見直し、事業拡大のスピードがアップすると観測されているためだ。今年4月の株式分割権利落ち後高値2378円からテクニカル的に値幅・日柄調整一巡を示唆していることも、買い手掛かりとなりそうだ。

■医師会員数は業務提携で7.7万人から10万人超へ

メディカルトリビューンとの業務提携は、同社が運営する医学・医療ニュースを提供し、医学・医療特化のコンテンツの検索機能を持つ医師向け専門情報サイト「MT Pro」と、メドピアが運営する「医師目線」に基づくソーシャルメディアサイト「MedPeer」との会員連携を行い、医師会員により幅広い医療情報を提供するとともに、「MedPeer」内の医師集合知の蓄積サービスを高め、製薬企業などの医師向けのマーケティングを支援することを目指している。「MedPeer」の医師会員数は、今年3月末で7万7402人となっているが、この業務提携で10万人を超えてくる。

一方、メドピアの今9月期業績は、売り上げ14億5000万円(前期比51.3%増)、経常利益3億円(同22.4%増)、純利益1億6700万円(同11.4%増)と予想され、純利益は連続して過去最高を更新する。医師の約3.5人に1人が同社の「MedPeer」の会員となっており、「薬価評価掲示板」の薬剤評価(口コミ)が、今期第2四半期(2Q)に前期比倍増の月間7500件のペースで推移し、累計で40万件を突破したことなどが要因となる。

今年5月に開示した今期2Q累計業績は、売り上げが前年同期比28.7%増と続伸したものの、新規事業取組による人員増加や会員数増加に合わせた投資拡大前倒しが先行計上され、経常利益は同18.4%減、純利益は29.7%減と減益転換して着地した。3Q業績は、業務提携効果などによる期待を高めており、8月12日発表予定の決算動向が注目されている。

■25日線水準での値固めは最終局面を示唆し一段の戻りを試す

株価は、昨年9月30日を基準日として実施した株式分割(1対5)の権利落ち後に、落ち後安値1300円からメーリングリストサービスを展開するイオレ(東京都港区)との業務提携を手掛かりに同高値2378円まで8割高し、再度、1300円台で下値を探ったあと25日移動平均線水準での中段固めを続け、調整最終局面を示唆している。決算発表を先取りして一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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