京写は23年3月期3Q累計減益だが通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 京写<6837>(東証スタンダード)は1月31日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。全体としては増収ながら減益だった。海外は自動車分野や事務機分野の受注が好調に推移し、前期稼働したベトナム子会社の売上拡大も寄与したが、国内が自動車生産調整や原材料価格・電力料金高騰の影響を受けた。ただし通期の大幅増益予想を据え置いている。第3四半期累計の利益進捗率が低水準だが、ベトナム子会社の稼働本格化効果も寄与して通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は22年12月の昨年来安値をボトムとして急反発している。底打ちを確認した形であり、戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計減益だが通期大幅増益予想据え置き

 23年3月期第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比14.7%増の181億10百万円、営業利益が2.4%減の4億47百万円、経常利益が14.9%減の4億17百万円、親会社株主帰属四半期純利益が30.9%減の1億84百万円だった。

 全体としては増収ながら減益だった。主力のプリント配線板事業では、海外は自動車分野や事務機分野の受注が好調に推移し、前期稼働したベトナム子会社の売上拡大も寄与したが、国内が自動車生産調整や原材料価格・電力料金高騰の影響を受けた。実装関連事業では、産業機器や通信機器向けの受注が回復基調となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が59億09百万円で営業利益が1億83百万円、第2四半期は売上高が58億42百万円で営業利益が30百万円、第3四半期は売上高が63億59百万円で営業利益が2億34百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比7.8%増の230億円、営業利益が46.2%増の7億円、経常利益が22.7%増の6億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が24.5%増の3億60百万円としている。配当予想は1円増配の6円(期末一括)としている。

 コロナ禍影響の長期化、世界的な半導体不足やサプライチェーン混乱による自動車等の減産、原材料価格の高騰など先行き不透明感が強いが、需要が高水準に推移し、ベトナム子会社の生産拡大なども寄与して大幅増益・増配予想としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が78.7%、営業利益が63.9%、経常利益が66.2%、親会社株主帰属当期純利益51.1%である。利益進捗率が低水準の形だが、ベトナム子会社の稼働本格化効果も寄与して通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は急反発して底打ち

 株価は22年12月の昨年来安値をボトムとして急反発している。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線を一気に突破した。目先的には第3四半期累計業績を嫌気する可能性もあるが、底打ちを確認した形であり、低PBRも再評価して戻りを試す展開を期待したい。1月31日の終値は313円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円12銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の6円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS501円72銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約46億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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