【銘柄診断】フリービットは3Q減益業績を織り込み来期業績を先取りして下値買い継続

 フリービット<3843>(東証プライム)は、昨年11月24日につけた昨年来高値1205円を指呼の間に捉えていることから目先の利益を確定する売り物に押されている。ただ同社株は、今年3月10日に今2023年4月期第3四半期(2022年5月~2023年1月期、3Q)決算の発表を予定し、積極化している戦略投資の関係で減益の可能性の可能性があるが、織り込み済みとして来2024年4月期の大幅増益転換を期待して下値買いも継続した。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、このトレンドに変化はないとして側面支援材料視もされている。

■戦略投資効果で来期売り上げ500億円、営業利益50億円の期待も高まる

 同社の今期に入っての業績推移は、第1四半期、第2四半期とも売り上げは続伸したものの、利益は小幅減益が続き、このうち第2四半期(2022年4月~10月期、2Q)累計業績は、売り上げ225億8100万円(前年同期比5・7%増)、営業利益19億6200万円(同4.5%減)、経常利益18億500万円(同8.0%減)、純利益8億4300万円(同24.7%減)で着地した。売り上げは、5Gインフラ支援事業では、MVNO(仮想移動体通信事業者)向けの支援事業の規模拡大が続き、5G生活様式支援事業では、5GHomestyle(集合住宅向けインターネットサービス)の提供戸数が増加し、「トーンモバイル」では60歳以上の月額料金を0円とする「シニア割」も開始したことなどから増収となった。

 ただ利益については、NTTドコモと提携し全国2300店舗のドコモショップで格安プランの「トーンモバイル」を販売し、新サービス開発などの戦略投資を前期の16億7000万円から今期は19億円に積極化し、前期は第4四半期に集中投資したものが、今期は期初から実施しており四半期ごとの費用負担となり伸び悩んだ。今4月期通期業績も、期初予想通りに売り上げ460億円(前期比6.8%増)、営業利益29億円(同8.4%減)、経常利益26億5000万円(同8.0%減)、純利益7億円(同15.4%減)と増収減益を見込んでいる。ただ中期経営計画「SiLK VISION 2024」の最終年度となる来2024年4月期は、戦略投資効果などから売り上げ500億円、営業利益50億円を目標業績としており、3月10日発表予定の今期3Q業績で確認作業が期待される。

■GC示現で昨年来高値奪回から弾みをつけ2021年高値1400円も意識

 株価は、今期業績の増収減益推移で900円台出没の中段固めから「シニア割」のサービス開始などで昨年来高値1205円まで急伸し、いったん972円まで調整したが、1201円まで再騰し25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。昨年来高値1205円更新で弾みをつけ次の上値目標として2021年10月高値1400円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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