セイコーエプソンが宇宙ロボット開発のGITAIに追加出資!月面・火星での作業を担うロボット技術に期待

■宇宙空間での作業を大幅にコストダウン

 セイコーエプソン<6724>(東証プライム)とエプソンクロスインベストメントは5月25日、両社の出資するEP-GB投資事業有限責任組合を通じて、宇宙用汎用作業ロボットを開発するスタートアップ企業GITAI Japan(GITAI)に対して追加出資したと発表。

 GITAIは、「宇宙に安価で安全な作業手段を提供する」ことをビジョンに掲げ、宇宙ステーションの船内外や地球軌道、さらに月面や火星での作業を担う労働力となる、宇宙用汎用作業ロボットの開発・販売と宇宙作業代行サービスの提供を目指す日本発のスタートアップである。

 月面資源開発や火星探査、ISS(国際宇宙ステーション)の商業化など宇宙開発が加速する中、新たな宇宙ステーションや月面・火星基地の建設など宇宙空間におけるさまざまな作業の急増が見込まれている。こうした作業は、人体へのリスクを抱えながら宇宙飛行士が行っているのが現状であり、そのための育成や輸送に莫大なコストが発生している。

 GITAIではこうした課題に対して、宇宙飛行士の負担・リスクを軽減し、かつ宇宙空間作業にかかる輸送・育成などの総コストを大きく削減でき、宇宙開発における安全と安価を高度に両立可能な汎用作業ロボットを開発している。2021年以降には月面作業ロボットや船外ロボットなどを開発、さらにISS内での実証機による船内実験を完遂するなど着実に実績を積み上げている。

 エプソンは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」において、マニュファクチャリングイノベーションにより、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新することを目指している。宇宙ロボット技術が、エプソンのロボティクス技術への応用も期待できるとともに、拡大する宇宙ビジネス市場で競争力を発揮し、さまざまな実績を重ねて成長を続けるGITAIの高い技術力および組織力、さらにこれまでの実績を高く評価し、2021年の投資に続いて追加出資した。

■エプソンクロスインベストメントについて

 エプソンクロスインベストメント株式会社は、情報関連機器、精密機器メーカーであるセイコーエプソン株式会社が100%出資するCVC(Corporate Venture Capital)である。CVC運営に強みを持つ独立系ベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレイン株式会社をゼネラルパートナーとしたファンド(EP-GB投資事業有限責任組合)を組成して、投資活動を行っている。

■GITAIについて

 GITAIは、世界をリードする宇宙ロボット工学のスタートアップである。宇宙で安全で手頃な価格の労働力を提供し、運用コストを最大100 分の1に削減することを目指しており、人工衛星や宇宙ステーション、月面基地、さらには火星の都市建設と維持に役立つ、高性能で安全かつ信頼性の高いロボットを開発している。

<会社概要>

・社名:GITAI Japan株式会社(日本)/GITAI USA Inc.(⽶国)
・設立:2016年7月
・事業内容:宇宙用作業ロボットの研究開発・製造、宇宙作業代行サービスの提供
・拠点:日本 東京都大田区羽田1-20-13
 米国 2255 Dominguez Way, Torrance, CA 90501 USA
・CEO:中ノ瀬 翔
・資本金:1億円(2023年1月現在)
・社員数:35名(2023年1月現在)
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る