【編集長の視点】極洋は過去最高更新への期待高まる、回転すし向け寿司種が好調

■1Q決算発表を前に連続最高業績を見直して押し目買いも

 極洋<1301>(東証プライム)は、前日13日に15円安の3610円円と反落して引けた。日経平均株価が、ハイテク・グロース株を中心に475円高の急反発するなか、バリュー株の一角に位置する同社株は目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、同社は、今年8月4日に今2024年3月期第1四半期(2023年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定しており、今3月期通期業績が連続して過去最高更新と予想されていることを手掛かりに押し目買いも交錯した。テクニカル的にも、年初来安値3370円から今年5月の戻り高値3750円までの上昇幅の3分の1押し水準でのもみ合いが煮詰まっており上放れ期待も高めている。

■回転すし業界向けに自社工場加工の寿司種が続伸し海外需要も回復

 同社の今2024年3月期業績は、売り上げ3000億円(前期比10.2%増)、営業利益85億円(同4.9%増)、経常利益85億円(同3.9%増)、純利益60億円(同3.8%増)と続伸が予想され、純利益は、前期に続き過去最高となる。新型コロナウイルス感染症の感染症の位置づけが「5類」に緩和され経済活動の正常化が進んでおり、水産事業では、中国、米国などの海外事業の消費が本格的に復活し、食品事業では回転すし業界向けに自社工場加工の寿司種が続伸し、生鮮事業では養殖事業の国産クロマグロの品質を向上させるなど収益性を高めることなどが寄与する。

 8月4日発表の今期1Q業績が、この通期予想業績に対してどの程度に進捗率を示すか注目されているが、前期1Q業績は、2ケタの増収増益で着地し、3月通期業績に対して30%超の進捗率を示し3845円高値まで買われる好反応となった。なお今期配当は、前期配当に上乗せとなった創立85周年の記念配当10円を廃止するが年間90円(前期実績100円)と高水準のキープを予定している。

■年初安値から戻り高値への上昇幅の3分の1押し水準を固めPER6倍の割安修正に弾み

 株価は、年初来高値3920円から前期業績の上方修正、記念増配にもかかわらず、欧米銀行の経営破綻による金融システム不安の波及で年初来安値3370円まで下値を探った。同安値からは売られ過ぎ修正に今期業績の連続過去最高更新予想などでリバウンドし戻り高値3750円まで上値を伸ばし、足元ではこの上昇幅の3分の1戻し水準でもみ合いを続けてきた。PERは6.4倍、PBRは0.81倍、年間配当利回りは2・49%と割安であり、戻り高値抜けから年初来高値3930円奪回にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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